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February 10, 2017

死語となった「寒」

昨年は、猛暑が続いた。「今年は暖冬になるぞ」という予想もむなしく、おそろしい冷え込みが続く。

「日本上空を強力な寒波が……」朝の天気予報では必ずといっていいほど耳にする言葉だ。

いつもの朝に、天気予報を聞き流しながら、ふと思ったことがある。
「寒(かん)の時期とか言わなくなったなあ……」
体の芯まで冷える寒さが好きという人は、そうそういないだろう。
だが、昔は、もっとも寒さが厳しい時期でも、季節を愛で、折々の食事をとる習慣があったように思う。
寒い時期は、雑菌が繁殖しにくいことから、再度餅をついてふるまう地方がある。
寒餅(かんもち)というそうだが、正月でいささか食べ飽きた餅を、再度手間をかけて作るのは、なにがしかの理由があったのだろう。
そういった風習もすたれてきているらしい。
なにしろ、真冬にトマトやキュウリといった真夏の野菜が並ぶ時代である。
旬のものをというのも無理があるのかもしれない。(旬という言葉も死語かもしらん)
有難いことに、魚だけは寒という言葉がたくさん残っている。

寒ブリ、寒鱈、寒ボラなどというように、寒さに耐えるために脂を蓄えた魚は珍重される。
こういった魚も養殖が進んでいるから、いつか「寒」という言葉も使わなくなるのかもしれない。
そうなったら寂しい限りだが、せめて美味しさという形で残ってもらえればと思う。

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