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July 2012

July 18, 2012

40年の時を越えて蘇る 旧東ドイツ(ドイツ民主共和国)版画・記録映像上映会のお知らせ

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先日のブログで紹介させていただいた 旧東ドイツ(ドイツ民主共和国)の版画・絵画・記録映像を一般公開するイベントを開催します。

1960年代末期から、1970年代初めに制作され、当時の日本社会党(現・社会民主党)に送られた作品群。当時、日・東独は国交がなく、この時代に制作された作品が日本で保存されていたことは、とても希有なことと言えます。

当時、激化が進み、世界に問題を投げかけていたベトナム戦争を描いた作品群は、極めて客観的に「戦争のむごさ」と、長引く戦争に苦しむベトナムの市民を克明にとらえています。

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社民党所蔵 旧DDR(ドイツ民主共和国)寄贈版画その3 ゲルハルト・ボンツィン(Gerhard Bonzin)画 シリーズ「ヴェトナム」1/3(爆撃機に反抗する五つのこぶし) 木版画

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社民党所蔵旧DDR(ドイツ民主共和国)寄贈版画(寄贈年1968~9?、
旧日本社会党に寄贈)その1 シリーズ「ヴェトナム」1/1(二人のヴェトナム人)木版画。ゲルハルト・ボンツィン(1930~?)画


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社民党所蔵旧DDR(ドイツ民主共和国)寄贈版画その2 シリーズ
「ヴェトナム」1/2(爆撃機におびえるヴェトナム人母子)木版画。ゲルハルト・ボンツィン(1930~?)画

かつての戦争の記憶が風化する中、私たちの国ニッポンは、少しずつ危うい進路を取っているように思えてなりません。

40年の時間を経て蘇ったこれらの作品群に触れ、戦争のむごさ、そして、この国が取ろうとしている進路について考えてほしいと思います。

主催 旧東ドイツ版画アーカイブス
中川龍也 佐野友美 渡邉亮介 松沢直樹

人は時代に操られる。踊らされる、翻弄される。この時代の、この国の人々も、その大きなうねりから必死に呻(うめ)き声をあげ、生み出してきた仕事をここで大事に味わい、読み取っていきたいと思う。そして感謝を覚えて祈るばかりです。
旧東ドイツ版画アーカイブス 佐野友美


2012年7月29日(日) (14時から17時 記録映像は30分)
会場 クラフトハウスばく
入場料無料
〒184-0014
東京都武蔵野市関前3-10-6
電話 0422-36-8311
http://crafthousebac.bake-neko.net/crafthousebac/home.html


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July 16, 2012

映画観賞記 森ウルフ 零零から愛を植える 宮脇昭 命の森ドキュメンタリー

森ウルフ 零零から愛を植える 宮脇昭 命の森ドキュメンタリー 

2012年 日本映画 85分
監督 島田角栄 
主な登場人物 キャスト
宮脇昭 川本三吉 西原由紀 デカルコマリィ 魔瑠 高木佑也
桑村綾 桑村祐子 石川康晴 本田進 日置道隆 安福純子
辻宏康 緒方晋 流血ブリザード 野中ともよ 桑名晴子

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17日 舞台挨拶に登壇した島田角栄監督 (撮影 松沢直樹)

国内外の1700カ所以上で植林活動を行い、約4000万本の木を植えてきた植物生態学者 宮脇昭氏のドキュメンタリ作品。

島田角栄監督のドキュメンタリ作品を観賞するのは2作目である。(前作は、聴覚障がい者のロックバンドにフォーカスを当てた ジャック・ザ・ロックリボルバーであった。)

7月14日 新宿K‘Sシネマの舞台挨拶で、島田氏は、開口一番「宮脇氏のプロパガンダ作品を造ったつもりはない」と述べていた。
その姿勢が、世界的な権威として支持される宮脇昭氏の活動を客観的にとらえていて、本作を良質なドキュメンタリ作品に昇華している。

舞台挨拶の言にあった島田氏の姿勢は、世界的権威である宮脇氏の個人的体験を引き出し、切り撮ることにも成功している。本作は、その一点からしても貴重な作品だと言えるだろう。
(これから作品を観賞される方のために詳細は控えるが、宮脇氏が、東京農工専門学校(現・東京農工大学)を受験する際に上京する中で見た、東京大空襲を回顧するシーンは胸が詰まった。)

本作に映った宮脇氏は、まったく遠慮がない。
相手が行政の役人であろうが、世界的企業の代表であろうが、大メディアの記者であろうが、木を植えることに関しては妥協しないし、言を選ばない。
作品冒頭から、宮脇氏に行政官が叱責されるシーンが展開されるが、痛快というよりも身がすくむ人もいるかもしれない。

まさに仕事の鬼だが、それだけに、東日本震災で傷ついた仙台に緑の防波堤を作るというプロジェクトを指揮する宮脇氏の姿はすさまじい。
植林に参加した子供たちを見守る目は優しいが、84歳の宮脇氏が、残りの人生をかけて命を燃やす姿が、様々な角度から映っている。

その姿は、仕事とは何か、生きる意味とはなにかを、疲弊した社会の中で生き続けなければならない私たちに無言で伝えているように思う。

80歳を過ぎてもエネルギッシュな宮脇氏は、若い頃からの生き方もエネルギッシュで破天荒だ。若い頃の宮脇氏の様々なエピソードを、島田監督の精鋭の俳優陣が再現するシーンは、思わず頬が緩む。

厳しい社会情勢が続く中で、つい悲観的になったり、自分に厳しく接してしまいがちだが、紆余曲折があっても自分の望む方向さえ向いていれば、未来は開けるものなのだ―そんなことを教えてくれる良作でもある。

公開中 新宿K‘Sシネマで、7月27日まで

 

 

 

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