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September 2008

September 30, 2008

映画試写へ 11・1劇場公開「その日のまえに」大林宣彦監督作品

これから公開になる大林宣彦監督作品の内覧試写会を取材してきました。
素晴らしい力作でしたので、ご紹介を。ぜひ劇場へ足を運んでみてくださいね。

11・1劇場公開 「その日のまえに」

死」に直面した家族と、
交錯する様々な人の「生」――。
最高のスタッフキャストで綴る
感動の人生シンフォニー


セックスは健康な二人がすることなの。
今の私、ガリガリだし、これじゃお別れの儀式みたいでしょ?

本作中の台詞より


大林宣彦監督作品「その日のまえに」(139分)
第21回東京国際映画祭正式出品作品
2008年 角川映画 WOWWOWFILMS
配給 2008年「その日のまえに製作委員会」
原作 重松清「その日のまえに」(文藝春秋)

脚本 市川森一
オフィシャルサイト http://www.sonohi.jp/

出演 南原清隆 永作博美
筧利夫/今井雅之/勝野雅奈恵/原田夏希/柴田理恵/風間杜夫/宝生舞/寺島咲/厚木拓郎/伊勢未知花/大谷燿司/小杉彩人/森田直幸/斉藤健一/窪塚俊介/高橋かおり/並樹史朗/大久保運/三浦影虎/油井昌由樹/吉行由美/笹公人/柴山智加/鈴木聖奈/小林かおり/村田雄浩/山田辰夫/小日向文世/根岸季衣/左時枝/入江若菜/峰岸徹
主題歌 クラムボン(永訣の朝 抄)コロンビアミュージックエンタテイメント

あらすじ
売れっ子イラストレーターで、デザイン事務所を経営する日野原健大(南原清隆)は、妻・とし子(永作博美)と、幸福な毎日を過ごしていた。

夫の仕事をかいがいしく支え、家では、二人の男の子の育児に奮闘するとし子。
体調がおもわしくないことに気付いてはいたが、忙しさにかまけて、身体を気づかう暇がない。ある日、医師の診察を受けたとし子は、不治の病に冒されていることを知る。

困惑するとし子と健大。刻々と時間が過ぎ去っていく中、「その日」は確実に迫ってくる。

夫として父として、とし子と息子たちを支えるには……
健大は苦悩するが、事務所の仕事を村山(村田雄浩)に任せ、家族と過ごす時間を最優先することを選ぶ。

「神様はいつもやさしいばかりじゃないよね。でもね、その日の最後の瞬間まで、私は必死に生き続けるわ。
ねえ、私、今必死に生きてるのよ。これって、けっこうすごいことなんじゃないかな?」


苦悩を隠す健大を支えるかのように、とし子は明るさを忘れない。

主治医の永原医師(風間杜夫)の反対を押し切って、二人で訪れた街。
18年前の結婚当初に住んでいた街は、すっかり様変わりしていたが、 なつかしさにあふれていた。

「なあ、あの頃って、おまえ不安じゃなかったか?」

当時、自称イラストレーターだった健大は収入がなく、とし子の兄(笹公人)に無心を繰り返しながら生活していた。その頃を懐かしく、また申し訳なく振り返る健大。

「私、もう一度生まれ変わっても、同じように無職の男と結婚して、一番安い食器棚を買うと思う」

思い出のつまった街を歩きながら、嬉々とした声で答えるとし子に、健大はかけがえのない幸福を感じるのだった。

その街で、とし子と健大が見た幻想。それは、不思議な力を携えていた。

夫の暴力に傷つきながらも武口(斉藤健一・元お笑い芸人ヒロシ)に寄り添い、必死に生きようとする睦美(宝生舞)

余命を知り、ふるさとを訪れた佐藤(筧利夫)と、30年ぶりに再会する石川(今井雅之)

宮沢賢治の詩・「永訣の朝」のオマージュ作品を演奏するストリートミュージシャン「くらむぼん」(原田夏希)の熱烈なファンで、とし子と同じ病院で治療を受ける川田孝子(柴田理恵)と息子の川田タダシ(森田直幸)

とし子と健大が見た幻想は、点から線になり、これからを生きる人、今を生きる人、旅立つ人たちを、目に見えない不思議な力で結びつけていく。

後日、健大の元に持ち込まれた、その街の花火大会の広告案件。

今の健大にとっては取るに足らない小さな仕事だったが、健大は自分が直接引き受けることに決める。
一旦は断ろうと考えたのだが、とし子との残り少ない時間を削ってでも、なぜか手がけたい衝動を押さえられなかったのだった。

「その日は、……暑くも寒くもない秋晴れの日がいいな。……すっごく気持ちのいい朝だったら、うん、意外とにっこり笑って死んじゃえるかもしれない」

ゆっくりと訪れた、とし子のその日――
その後、奇蹟は再び訪れる。決して盛大とは言えない花火大会の夜、健大は、「今」」という時間を越えて出会った大事な人たちがつながる奇蹟に包まれ、心をほどいていく。

レビュー
直木賞作家 重松清氏の同名小説の映画化作品。

重松氏といえば、直木賞受賞作「ビタミンF」、「流星ワゴン」のように、複雑な関係の中で生きる家族や、人を描き取ることに長けた名手である。

一方の大林監督はといえば、映像界の第一線で創造を続けてこられた方であり、映像で人を描ききる達人である。

20年前の作品になるが、大林監督がメガホンを取られた「異人たちとの夏」は、いまだに折に触れて見る機会がある。

同作は、日本映画の中で、私の最も好きな作品の一つだ。(奇しくも、同作品は、本作の脚本を手がけられた市川森一氏との初コンビ作品でもある)

さて、まずは本作をどう伝えようか。
本作は、「今を生きる人たち、旅立つ人たち」を文章と映像で表現する二人の達人が構築した世界が融合し、昇華した作品と伝えるべきではないだろうか。

文芸作品が映像化される場合、「読者」が「鑑賞者」になるには、ある種の勇気を求められる。
良くも悪くも、文芸作品が自分の心に醸成した心象風景を、映像作品が塗り替えてしまうからだ。

映像作品が、破壊された心象風景の後に、新たなカタルシスをもたらしてくれるものであればいいが、必ずしもそうとは限らない。
残念だが、自分の中で創造された心象世界が昇華されたとは感じられず、破壊されたままとしか感じられない場合もある。

もっともそれは、映像製作者側の問題とは言えない場合も多い。

そもそも原作を映像化するということは、映像製作者が、原作読み進めて自分の中に築き上げた物語世界を、「映像」に編みなおすということである。
つまり、原作が存在する作品であっても、映像作品は別の世界を内包した存在として生まれてくるわけである。

その映像が織り成す世界が、原作を読んだ鑑賞者の世界を破壊することを念頭において、映像ならではの新たな世界を提示できるか――。
このことが、原作が存在する映像作品の真価として問われるのである。

当然、映像表現は無限ではない。そこには様々な制約が存在する。文章では可能な表現であっても映像では不可能な表現も存在する。

それらの制約を超えた上で、なおかつ創造者としてのエッセンスと命を吹き込み、原作を超えた世界を鑑賞者に提示できるか――

大林監督は、本作の公開にあたって、いわゆる「涙涙の難病モノ」ではない、「生きること、死ぬこと」について、人間の、夫婦の、家族の物語を、普通に描いてみようと思いました――とコメントを寄せている。

大林監督が吹き込んだエッセンスは、堅牢な物語世界と調和しながら、見事に映像の中に織り込まれているように思う。
映画化のオファーが集まりながらも、あまりにも堅牢な物語世界ゆえに、映像化は不可能ではないか、と言われていた作品を、前述した文章と映像の壁と制約を越えて昇華させたのは、驚きの一言につきる。

私は原作を読んだ後に、試写に臨んだ。
読者から鑑賞者になれば、新たなカタルシスが得られると信じたからである。
私の中に創り上げられた物語世界は壊れるだろうが、映像でしか表現しえないこの物語のエッセンスが、新たな世界を創造してくれる。そう信じたのである。

試写室のシートの肘掛を握り締めて上映を待ったが――エンドロールを迎える際には、安堵と新たな感動と、良作を見た後に残る酩酊感が残った。

しかも、原作を読んだ際に私の中で出来上がった物語世界は壊されることなく、新たな世界を醸成している。そのことが、とても不思議だった。

冒頭でも触れたが、本作は、重松氏が描いた堅牢かつ、血の通った温かみのある世界に、大林監督の映像世界を見事に融合させ、昇華させきった作品と言えるだろう。

何より素晴らしいのは、今を生きる人と、これからを生きる人を描ききっていること。

そして、逝ってしまった人たちが醸しだす、あたたかで不思議なつながりを描くことに長けた重松氏と大林監督が持つ共通する世界が、更に堅牢になっていることだろう。

それに加えて、詩人・宮沢賢治の世界をオマージュする形で、大林監督ならではの幻想的な映像が、随所にちりばめられていることも拍手喝采である。

今を生きる不安や、希望。
そして逝ってしまった人に寄せる寂寥感。

力強い物語世界の中にちりばめられたファンタジックな映像や演出は、時に優しく、胸に痛く、そして体温を感じるように穏やかで温かい。

送った人を思い出す人。
悲しみに向かい合っている人。
これからを生きる希望に満ちている人。
愛する人を見つけた人。

本作は、鑑賞者それぞれに、違った世界を見せることだろう。

とはいえ、本作は、それぞれの鑑賞者に、今を生きる不安や孤独を和らげる優しさを必ず伝えるのではないだろうか。
また、会えなくなった人、やがて会えなくなる人とのつながりが永遠に存在していることを、強く、温かく教えてくれるのではないか、と思うのである。

同時に、悲しみと決別し、今を生きていくことの勇気も、である。

2008.09.25 松沢直樹 角川映画試写室にて

2008・11.1より全国公開
北海道
スガイシネプレックス札幌劇場 011-221-3802 12月

東京都
角川シネマ新宿 03-5361-7878  11/01
シネカノン有楽町2丁目 03-3283-9660 11/01
アミューズCQN 03-5468-5551  11/01

神奈川県
横浜シネマリン 045-261-2411 11/01

千葉県
千葉京成ローザ10 043-225-6355 11/01

愛知県
伏見ミリオン座 052-212-2437 12月

大阪府
梅田ブルク7 06-4795-7602

兵庫県
三宮シネフェニックス 078-392-0270

京都府
MOVIX京都 075-254-3215 11/01

福岡県
中洲大洋 092-291-4058 11/01

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September 25, 2008

もうすぐ発売「億万長者には なぜ口ベタが多いのか?」

企画編集・製作をお手伝いさせていただいた ビジネス書作家・ジーン中園氏の最新刊「なぜ億万長者は口べたが多いのか-話し方を超えた「人心掌握」術」が発売になります。

アマゾンなんかで購入が可能になったら、再度お知らせさせていただきますが、最新刊の中身を、このブログをご覧の方だけにチラッとお見せしますね。

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億万長者には なぜ 口ベタが多いのか?
話し方を超えた「人心掌握」術
ISBN978-4-88320-443-4

本書まえがきともくじより

本書をお読みになる前に

同僚、上司、お客様、初対面の人、家族、友人……、私たちは、人それぞれ多種多様な人間関係をもっています。その人間関係をスムーズにするために、または相手を自分のほうに向かせるために、本を読んだり、講習に通ったり、私たちは日々さまざまな努力をしています。

しかし、そのやり方で本当に効果があるのだろうか、と疑問に思ったことはありませんか?

 以下によくある人間関係の対策や疑問・悩みについて十五の項目を用意しましたので、チェックしてみてください。

□「話し方」講座に通っている(通ったことがある)。

□話し方を磨いたのに、なぜか部下がついてこない。

□プレゼンには自身があるのに、なぜか通らない。

□いい仕事をしたのに、次の仕事につながらない。

□メールの書き出しは、必ず「お世話になります」。

□話上手になれば、人脈は広がると思う。

□初対面の人と何を話したらいいかわからない。

□こちらの依頼を一回断られたら、内心あきらめたくないけど、あきらめている。

□この一年で出会った人のうち、実際現在もつながっている人は一〇人以下だ。

□手土産は、とりあえずデパ地下で。

□自分のお葬式に何人来てくれるか、考えたことがある。

□知らない人ばかりの飲み会では、いつも一人ぼっち。

□「お前、いたの?」とよくいわれる。

□成功本はかなり読んだが、なかなか効果が出ない。

□いわゆる成功本は、ムチャを言っていると思う。

さあ、いかがでしたか? これらの項目で一つでも当てはまったら、本書はあなたのお役に立つはずです。

話し方を磨いても、他人の心はつかめない! なぜなら、人心掌握のツボは、相手への思いやりの行動だから――。

ほんのちょっと変えるだけでいいのです。本書は、成功者たちがやっている、他人の心をつかむ思考法と実践法を徹底的に伝授します。

 私の頭の中には、会う人すべてがあなたのファンになっているシーンが思い浮かんでいます。さあ、ページを開きましょう。あなたの未来が微笑んでいます。

はじめに―― 他人の心は、話し方以外で動く

 オレも赤面&対人恐怖症だったんだよ!

 ある日、知人にこんな告白をしたら、大笑いされてしまった。無理もない。人前で二時間ぐらい平然と話し、講演や講義を行っている今の私をみれば、まったく想像がつかないだろう。

 恥ずかしながら、かつて私は筋金入りの口ベタ人間だった。人前に出るだけで赤面し、緊張しすぎて言葉を出すことすらままならなかった。だから、口ベタの人の気持ちはよ~く理解できる。

今でこそ胸を張って自分は対人恐怖症だったといえるが、昔は相当悩んでなんとか口ベタな状態から脱出しようと必死になっていた。

 そんな自分に打ち克つべく、もがき苦しみながら、できることから実行した結果、流暢に人前で話せるようになった。そして、仕事関係や友人関係をはじめとした人脈が広がり、みなさんといい関係をつづけさせてもらっている。

 他人の心がつかめるようになると、人脈が芋づる式に広がるから不思議だ。すると、その人脈がお金を連れてきてくれる。

「人心掌握力」を身に漬けるメリットがここにある。いわゆる億万長者をはじめとする世のお金持ちや成功者が、あくせく働かなくても大金をつかんでいる秘訣だ。

 そんな今の自分と過去の自分を比較しながら、どのような過程を経て、さまざまな人にめぐり合い、末永くお付き合いいただいているのかについて改めて考えてみた。すると、あることに気付いた。

 それは、話し方を磨いたところで、必ずしも他人の心はつかめるとは限らないということだった。

言い換えれば、他人の心をつかむには、話し方を超えて心がけるべき思想と行動があることを、身をもって感じたのである。

 それは、私が今まで交流してきたお金持ちや成功者に見事に共通する点である。彼らには、口ベタ人間が多い気がする。

「饒舌すぎると、その分、自分の利益を逃す危険性が高まる」ことを心得ている人が多いとも言える。とにかく話し方よりもっと重要視すべきツボをしっかり鍛えているのだ。

 いわゆる「人心掌握力」を身につけたいと思うと、話し方やプレゼン力を磨けばいいと思いがちである。私も最初はそうだった。

 たしかに、話し上手であることに越したことはない。

口ベタであるばっかりに、自分の意思をうまく伝えられず誤解されたり、ワリを食う思いをすることはよくある。私も「あのとき、もっとうまく話せていたら、こんな嫌な思いはしなくてすんだのに……」と悔やんだ経験を何度も味わった。

だから、話し上手になるために、話し方講座に通い、関連書籍を読み漁る。そうすれば、きっと他人は自分に振り向き、ついてきてくれる――。

 しかし、残念ながら、それは単なる思い込みにすぎない。

 私たちが学生時代に聞いた、朝礼での校長先生のスピーチを思い出してほしい。相手は学生とはいえ、教師は人前で話すことにかけてはプロである。



大人になって改めて聞くとあの流暢な話しぶりに感心するが、当時は「早く終わってほしい」と思っていた人も多いと思う。

話し上手だからといって、人の心をひきつけられるとは限らない典型的な例である。

 ビジネス・シーンにおいても、プレゼンや話が上手なのに、なぜか共感できない人に出会う。ただひたすらぺらぺらとまくしたてられて、最後はうまく丸め込まれただけ。一緒に仕事をしていても楽しくない人。

人間的な魅力をまったく感じず、できることなら二度と関わりたくないと思う人。みなさんのまわりにも、そんな人が一人や二人はいるだろう。

 人の心をとらえて離さないスピーチはたしかに存在するが、それで他人がついてくるかどうかは別問題である。口上手は、真の人心掌握において必要絶対条件ではないのだ。

 では、真の人心掌握力を磨くためには何をすればいいのか。

 それにズバリ答えたのが本書である。私自身の経験や国内外で交流してきた人間的魅力にあふれた人たちから見出した、人心掌握の思考法と実践術をまとめた。難しいことは何ひとつない。ちょっと変えるだけで、効果絶大なことばかりである。

 

もしあなたが口ベタなから、気にせず自信を持って人の心がつかめるようになる。そのうえ口上手なら、まあ、鬼に金棒かもしれないとでも言っておこうか。なぜなら、人心掌握には話し方以外に磨くべきツボがあるのだから。

あなたはそれを知らない分だけ損しているのだ。

 これさえ身につけてしまえば、もうこっちのものである。顧客はあなたに振り向くし、会社の同僚もあなたについてくる。人脈やお金だってどんどん集まってくる。

 そんな人心掌握の真髄を知りたければ、ぜひページを開いてほしい。

 きっとあなたの新しい輝く道筋が眼前に広がっているはずだ。

 夜明けのシドニーにて

                         ジーン中園

いかがでしたか? セルフチェック・まえがきをご覧になって、思わずうなずいてしまったという人もいるのではないでしょうか?
ビジネスやプライベートで、他の人と交流を図るのに、一番身近なコミュニケーション方法は、「話すこと」です。
ですが、言葉というのはやはり完璧なものではなくて、いくら上手に話ができたとしても、相手の心をつかんで、友好関係を築いたり、ビジネスパートナーとして強固な連携を築きあげられるとは限らないのです。

もちろん、話し上手であることにこしたことはありませんが、場合によっては話し上手が仇になることも少なくありません。
相手の理解を求めようとして、説得しようとしたら、かえって反感を買ってしまったという経験をお持ちの方もいるかと思います。

「話す」ということは、決して万能ではなく、時として、相手に自分の意思を伝えることすら。かなわないことがあるのです。
そういった場合に、どうやって相手とコミュニケーションを図ればよいか。相手の心をつかむにはどうすればいいか?

その奥義が本書には詰まっています。

プライベートで交流関係を築くことはもちろん、ビジネスで新たに営業をかけたり、パートナーシップを強固にしたり、クレーム処理を転じてさらに友好関係を深めるなど。
ケースバイケースで、色々なシーンで使える方法をたくさん提示してあります。

詳しくは、本書に譲りますが、目次をご覧いただければ、おわかりいただけるのではないでしょうか。
以下、本書の目次から。


第1章「まごころ」をスマートに伝える技術

01・トップセールスマンは、商品は売らない

02・弱者を目の前にしたとき、あなたならどうする?

03・人には、会わなければできないことがある

04・全サラリーマンよ、野球部マネージャーたれ!

05・思いがけないときに、思いがけないプレゼントを贈る

06・「事前準備」で、すでに勝負がついている

07・やさしさは、呼吸する生き物である

08・世界中の人々の心をつかむ「二つの方法」

09・今日のお客のコーヒーの好みを知っていますか?

10・目先の利益ばかり追いかけていると、人は離れていく

第2章 人がやらないことをやる!

11・正しく「涙を武器」にする方法

12・人にゼッタイ負けないことをつくる

13・「手間」という時間が、相手の心を刺激する

14・新しい挑戦が、あなたの引き出しを増やす

15・メール時代だからこそ、日本語力が問われている

16・「男は黙って○○ビール!」で、未来の自分に闘争宣言

第3章 ワンランク上のプレゼント攻略術

17・クレオパトラもフル活用した「花の魔力」

18・「子供の日」を活用してないの? もったいない!

19・日常の感謝は、あえて誕生日の“モノ”に託す

20・自分をかまってくれる上司を嫌がる部下はいない

21・目標を達成したときの行動次第で、仲間の忠誠心は変わる

22・デキる人の手土産の選び方、渡し方

23・「まさか覚えてくれているとは!」の演出術

24・行きつけの飲食店を持っていますか?

25・みんなの目の前で自分の“形見”を渡す

第4章 好感度120%で人を動かす方法

26・仲間の士気を高めるアメのぶら下げ方

27・イヤな仕事ほど、未来の財産をつくる

28・「相手が愛するものを奪う」が策士の鉄則

29・「拾う神」をつかまえて願望を実現する方法

30・死んだあとも、人の心をつかみ続ける人

31 デキる人は、なぜ家族を大事にしているのか?

32 なぜ現場主義が最強なのか?

33・褒めるときは人前で、叱るときは裏にまわって

34・「口より先に背中で語る」仕掛けを用意する

35・上司にもお客にも好かれる「中間管理職」像

36・クレーム処理の饒舌は、傷口をさらに広げる

37・断られ続けても、最後に結果をつかむ人の秘策

38・なぜ会食が効果的なのか? 再考「同じ釜の飯を食う」

39・知らない人だらけの飲み会で、自分を売る方法

40・タダで「コミュニケーション力を磨く方法

41・初対面の「香り」は、相手の記憶に刻まれる

42・トイレで声をかける

43・自分をアピールするオフィス演出術

44・人は、自分を覚えてくれる人が好きである

第5章 ゼロからの人脈構築術

45・メーリングリストの誘いは断らない

46・初対面のあの人と関係をつなげる儀式

47・相手とあなただけの「情報データバンク」のつくり方

48・なかなか会えない人とつながりを続ける方法

49・赤の他人と仲良くなれるキーワード

50・今の人脈を大事にしなければ新しい人脈は広がらない

51・与える七八%、もらう二二%の法則

第6章         言葉ひとつで、人の心はゆれる

52・饒舌な人ほど「沈黙は金」を心得よ

53・下の名前に、あの人の「私」が詰まっている

54・「話の引き出しがない」と嘆く前に、あなたがやっていないこと

55・無意識のイヤミにご用心!

56・好感度を上げる第一歩は「フルネーム」

57・きっと「あなたに何をお世話した?」と思われています

58・やさしい言葉は、想像力がないと生まれない

59・心を丸裸にした言葉は人の心に残り続ける

60・「ありがとう」にゴールはない

61・言葉が通じないとき、コミュニケーションの真髄がわかる

どうでしょうか? 製作に携わっていた立場の人間からすると、手前味噌な言い方のようですが、本書はビジネス・プライベートを問わず「使える本」です。


コミュニケーションスキルを高めたい方はもちろん、人付き合いが苦手な方、口ベタな方もドンと来い。今の自分よりもさらに積極的になれる方法を見つけられると思います。

詳しいご案内は、発売後にまた。

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September 23, 2008

「いただきますを忘れた日本人」・事故米の問題を通じて「食」を考える

先日から事故米の事件で、取材に追われている。
このブログを読んでいただいている方は説明するまでもないと思うが、念のため解説を。

事故米とは、ウルグアイラウンド(※)のミニマムアクセスによって輸入された米のうち、カビが生えたり、異臭がするようになったという理由で、工業用原料として政府から転売された米が、食品流通に乗ってしまったという事故。

ウルグアイラウンドについては、説明が長くなるので、ウィキぺディアへのリンクを貼っておきますね。

司法機関のメスが入っていることと、取材中ということもあって、流通ルートに乗ってしまった経緯については言及を控えるが、事故米に生えたカビが出す毒性物質「アフラトキシン」(肝癌発症のリスクがある)の問題について、個人的には取材を重ねたいと考えている。

(公表されているデータからリスクを大きくとって試算してみたが、事故米を毎日平均的な量摂取しても、一年間に摂取するアフラトキシンの量は、0.9μg程度なので、危惧しすぎる必要はないと考えている)

この問題が大きく取り上げられ、消費者の方が関心を持つのは非常に好ましいことだと思うのだが、私はどうしてもある疑問を感じずにはいられない。

私たち消費者は、「食の安全」ということを叫んではいるが、食事を大事に扱ってきただろうか。

農林水産省の調査によると、家庭で購入した食材のうち、3パーセント前後は、食事として供されずに、捨てられれているという。
また、外食産業においても、20パーセント以上の食材が、食べ残しが理由で廃棄されているという。

ほとんどの方がご存知ないようだが、日本はカロリーベースで40パーセントほどの自給率しか達成していない。(100パーセントの自給率を達成しているのは、さつまいもと米だけである)

もし、外国からの食材の輸入がストップしたら、ほとんどの人が、一日2食取るのが難しくなるのだが、果たして私たちは、そのような環境の中で、日々食べられる食事を有難く感じているだろうか。

手にした食材や、供された食事を大事にする意識を忘れ、「安全でおいしい食事を食べたい」とだけ主張するのは、傲慢なような気がしてならないのだが、それは私の暴論だろうか。

仮に、私の意見が暴論だとしても、多くの日本人が、食事を取れることにありがたみを忘れているというのは、否定できない事実だと思うのだ。

小倉朋子さんの「いただきますを忘れた日本人」を読む

毎月、私は、月初めに、50冊前後ほどの本を購入する。
本書はその中で、上記の問題について考える良い気付きを与えていただいた1冊である。

著者の小倉朋子さんは、食に関する本を多数上梓されていらっしゃる方だが、えてして「知識や教養」として、形骸化しやすい食文化やマナーについて、一貫して生きた知識を提示していらっしゃる方である。

本書では、食に関する様々なマナーについて触れられているのだが、様々な話の裏側に一貫した精神性が感じられる。
その柱となっているのは、本書のタイトルにもなっている、食前に「いただきます」という感謝の言葉を捧げる、日本独特の習慣だろう。

急速にすたれつつあるようだが、一昔前までは、結婚式などの「ハレ」の席はもちろん、家庭での食事や学校給食でも、食前に手を合わせ、「いただきます」という言葉を捧げるのが当たり前だった。

それは、食事をする上で、食材となった動植物の命をいただくという事実に向かい合い、命を受け継ぐことに感謝を捧げる意味合いがある。

本書の中で、小倉さんは、食を育む生命の営みと自然の摂理、そして食を食べる人の口に届けるまでご苦労された方に感謝する言葉として「いただきます」を捧げてきたことを思い出し、次世代に伝えることが大事だと述べておられる。

実際にお会いした際も、そのことをおっしゃっておられたが、私も全く同感である。

私たちは、直接会うことはないものの、日々の食事を通して、実に多くの人たちに支えられている。

「いただきます」という言葉を捧げることは、「農」や「食」に携わる全ての人はもちろん、日々出会う方や、食事を共にする方に敬意を払うことにほかならない。

こういった習慣(精神と言ってもいいかもしれない)が、少しでも広がれば、モラルの崩壊が言われて久しい、全ての産業のスペシャリストも誇りを取り戻すのではないか。

また、ともすれば、一人で生きているという錯覚にとらわれ、孤独感に陥りがちな時代の中で、多くの人と見えないつながりを持っているという、安心を得ることもできるのではないだろうか。

本書の再読を重ねると、食の安全についての解決だけでなく、とかく殺伐な空気が漂う、今という時代を生きる先人の知恵に到達する道筋が、見えてくるような気がしてならない。

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どんと来い物価高! マトンとオクラのカレー(300円)

原油高と原稿料のお振込み前の関係もありまして、緊縮財政でございます。

事務所のまかない飯を作るのも容易ではございません。

というわけで、廃棄寸前の食材をうまく利用してしのぐことに 。

どんと来い物価高! アイデアさえあれば、おいしい物は食べられます。

本日はマトンの挽肉とオクラのカレー

カレーに使うスパイスは、イラン産の輸入品を調達 しめて50円

野菜は しなびて売り物にならないものを、八百屋から50円で引き取る。
調達した食材は以下の通り。
オクラ、なす、にんじん、じゃがいも、たまねぎ、ピーマン

まずは、オクラ以外の野菜をいためます。

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にんじんとジャガイモはすりおろして、他の野菜はみじん切りに
フライパンに少量の油を引いて弱火でいためます。
なんですりおろすかっていうと、火の通りを早くするため。

テフロン加工のフライパンで炒めていますが、必ず油は引きましょう。
ニンジンの中に含まれるベータカロチンは、油で調理すると吸収率が圧倒的によくなるからです。

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次に挽肉を加えていためます。挽肉はニュージーランド産のマトン。
臭みが強いのと、冷凍やけしていたため売れなかったらしく、輸入業者さんから、300グラム60円で分けてもらいました。

羊肉は、日本ではなじみが薄いですが、きちんとした処理をしてスパイスを加えると、こういった料理には非常によく合います。

ちなみに、ナツメグとカルダモンを多めに混ぜてあります。スパイスを混ぜて炒めると、全然臭みが気にならなくなります。

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挽肉がパラパラになったら、刻んだナスを追加。

さてさて、メインとなる食材 オクラ

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少ししなびてますねえ……だから安く分けてもらえたんですが、火を通す料理なら無問題。小口切りにした後、フライパンに投入します。

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オクラの後にチーズを投入。

チーズは、本日賞味期限が切れるミルクを20円で引き取り、酢を混ぜて水分(ホエー)を絞り、カッテージチーズにしたもの。

ものの5分もあれば牛乳から加工できます。

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炒めた食材をお鍋に移して、水を加えて混ぜ合わせたカレースパイスを加えて完成。
カレースパイスは、ターメリック、クミン、クローブ、シナモン、フェンネル、カルダモン、ナツメグ、コショウなどを混ぜ合わせて作ります。
もちろん、市販のカレールーでも大丈夫ですよ。
スパイス混ぜてカレー粉作ったのは、単に予算がなかったからです(涙)

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約10杯分 しめて180円 

全員分の米がないので、薄力粉にベーキングソーダと、カッテージチーズにする前の牛乳を少し加えて、薄く焼いてチャパティもどきに。

こちらは50枚ほど焼いて120円

〆て300円で、10食分を確保。
調理時間は、約40分

試食してみたら、あら、いけるじゃありませんか。

工夫すれば、おいしいものは食べられます。
原油高だろうが、ハイパーインフレだろうが、どんとこいって感じですな。

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September 18, 2008

新刊発売予告

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というわけで、新刊発売のお知らせです。

今回も、企画編集を お手伝いさせていただきました。

億万長者には なぜ 口ベタが多いのか?

ジーン・中園著
三五館 1400円+税
ISBN978-4-88320-443-4

あの人に「お金」と「人脈」が集まるには理由がある!
これで、会う人すべてが、あなたのファンになる!


・話し方講座に通ったことがある
・話し方を磨いたのに部下がついてこない
・いい仕事をしたのに次につながらない
・この一年で出会った人のうち、現在もつながっているのは10人以下 だ
・話し上手になれば人脈は広がると思う
・いわゆる成功本はムチャを言ってると思う


ビジネスシーンで、「プレゼン力の向上」ということがよく言われます。

その多くは、「話し方を磨く方法」であったり、「文章作成能力のスキル向上」について問うものがほとんどです。
実際には、これらの技術を身につけさえすれば、人脈を広げ、ビジネスを成功させられるとは限りません。

多くの人は、「話し上手にさえなれば、自分の意思を的確に伝えられて相手から信頼を得られる」と考えがちですが、残念ながら必ずしもそれは的を得ているとは言えないのです。

ビジネスで卓越した能力を見せる人の中には、口ベタでシャイな人が、たくさん存在します。

では、彼らは一体どうやって多くの人の心をつかみ、人脈を築き上げ、ビジネスを成功させたのか?

そう、彼らだけが知っている人心掌握術の奥義というものが存在します。
「口ベタだからこそ気がつく人心掌握術の奥義」を彼らは手に入れ、日々実践を重ねることで、現在の地位を築き上げたと言ってもいいでしょう。

実際に本書ご覧いただくと、「この手があったか!」と思われるものが、必ずあるはずです。

本書は、著者が出会ったビジネスの百戦錬磨の達人が見つけたノウハウを厳選。読者の方が、今すぐ実践できるものを紹介しています。

ビジネスのさらなる成功を望まれる方はもちろん、単に交友関係を増やしたい方、また親しい人とさらに円滑な人間関係を望む方にもお勧めの一冊です。
発売のご案内は また後日に

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September 17, 2008

重陽の節句に、小田急の渋沢で寿司を喰らう その2

寿司割烹 あきよし 11:30-22:30(水曜定休)
神奈川県秦野市渋沢2-43-20
0463-88-7721
さてさて、カウンターに座った直後から、素晴らしい仕事の料理が次々と、親方から投げられる状態。
たまにはライターらしく、刺しつ刺されつ、編集者さんに営業でもかけようと思っていたのですが、(時代劇の悪代官と越後屋みたいだね)こうなったら、そんなことはどうでもいい。
これだけの料理を前に。仕事の話をするのは、野暮ってもんです。ええ。
編集者A氏も、そのあたりはよく理解されてる方で、突き出しをいただいた後は、「心得た」とばかりに、盃を合わせ、料理を楽しむことに。
これがまた、前菜に続いて、すごいものをじゃんじゃかぶつけてくるんだ。
たとえばこれ
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鱧(はも)の湯引き 梅肉添え
ありきたりじゃん、と思うなかれ。親方ご自身が鱧をさばいて供しているもの。
ご存知の方も多いと思うけど、鱧って小骨がすごく多い魚なので、供する場合、「骨切り」という仕事を経なければならない。要は、包丁で小骨を切って、食べやすくするわけね。
ところが、鱧の小骨って、皮のすぐ近くまで入ってるから、皮の半分まで包丁を入れないと、小骨が残って食べづらいことこの上ない。皮の半分まで包丁を入れて、小骨を完全に切ってしまうんだけど、当然のことながら、力加減を間違えれば、皮が切れて身がバラバラになってしまう。
おそろしく技術を要する仕事です。言うまでもありませんが、親方の骨切りについては、完璧。
京都の某有名料亭で食べたものより、口当たりがよかった。
骨切りした後に、葛粉を打って、湯引きしているのは同じなんだけど、鱧の骨で引いた出汁の中で湯引きしてある。そのせいか、夏向けに冷やしても、水っぽい風味にならない。
伝統的な技に工夫を凝らすセンスが光る料理だなあ、と思いましたね。
夏が旬の鱧もこれでおしまい。逝く夏を惜しむ風情を感じたりしつつ(そんなことないか)
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編集者A氏と僕も、すっかりいい気分になっちゃって、酒を追加。
酒肴を中心に、おまかせで出していただいてたら、この一品が。

戻り鰹のたたき
これもねえ、写真だとそこいらの鰹のたたきと全然変わらないように見えちゃうんだけど、いい仕事してるんだ。これが。皮目に火を通してあるんだけど、藁(わら)に火をつけてあぶって、やわらかく火を通してある。
ほとんどの魚って、皮の間の身がおいしいんだけど、ガスであぶると火が通りすぎて、バサバサになってしまう。もちろん、独特の風味も台無し。
藁の火であぶると、やわらかく火が通る上に、煙でいぶされて独特の風味になる。
こういった仕事をしているのは、ミシュランで★★★にランクされた銀座のすきやばし次郎さんくらいじゃないだろうか。
これを800円~1000円くらいでいただけるのは、有難い限りです。
鰹独特の血の臭いが見事に消されて、とろりとした食感と藁にいぶされた脂の旨みが残る風味。たまらんですな。これがまた、日本酒によく合うんだ。
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生つまみの最後は、烏賊と秋刀魚
秋刀魚は見事に血合いを処理して、ネギを巻いた代物。最近は関東でも秋刀魚の刺身は珍しくなくなったけど、青魚特有の脂肪が酸化した風味は全く無く、ネギとの相性が非常にいい。
烏賊は、だるまいかを、ゲソと胴をつまみにこしらえてもらったんだけど、身が活かりすぎてなくて、酒の肴にはちょうどいい。生姜醤油でいただくと、烏賊独特の甘味と旨みが感じられて、ますます盃が進む。最高ですな。
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さて、飲んでばかりいてもなんなので、握ってもらうことにしました。
まずは、かはわぎの握り。上に乗っているのは肝です。
「海のフォアグラ」でゲスよ、旦那。しかも惜しげもなく、豪快に。男気満点です。
煮切り醤油が塗ってありますので、そのままいただけますが、好みですだちを。
僕は、そのままいただきましたが、肝の旨みと熟成した白身と人肌の酢飯にマッチしていて、ため息が出そうな風味でした。
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さんまの軍艦巻きと、ほたての炙り
軍艦巻き自体は珍しくないけど、さんまの軍艦ってのは珍しいですよね。糸作りとまではいかないまでも、細く作った秋刀魚の刺身を軍艦にすると、これだけ海苔とマッチした風味になるとは。
ほたてもほたてで、ふつうは生の貝柱を寿司にすることがほとんどですよね。
これは、外を炙って、甘味をうまく引き出してあります。
ほたての貝柱の独特の柔らかさと旨みを残して、火で炙ることで、新たな甘味と歯ごたえが加わった感じ。
供する前に、海苔を焼いてあるので、香ばしい風味が一段と強く出てます。
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親方いわく、あなごや貝類のいいのが入ってるので、握ろうか? と勧めていただいたのですけど、二人ともおなかがパンク寸前。口は欲しがってるけど、もう無理っす。
てなわけで、ちびちび酒を飲んでたら、親方がアテに出してくれたのがこれ。
そう、日本三大珍味のからすみです。
最近は、輸入物があるけど、国産の値の張るものになると、薄い1枚が1000円とか楽にします。長崎は肥前野母のからすみなんかになると、一腹2万円なんてザラ。
一体全体、こんな高級な肴をどうしたのって尋ねてみると、親方曰く
自分で、卵を持っている鯔(ぼら)を市場で仕入れてきて、からすみを作ってるんだそうな。(からすみとは、鯔の卵から作る珍味です)
東京湾近海であがった鯔が、卵を持っている時期に市場から仕入れてきて、時間をかけて作るんだそうですわ。
作り方もハンパない。企業秘密になるので、ここでは詳しく書けないけど、大吟醸の日本酒やワインを使って漬け込んで作るのだとか。
生臭さが全くなく、ねっとりとした食感の中に、雲丹に似た風味があって最高。
今年は、いいものが出来たので、お取り寄せ可能だそうですよ。
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1本が大体名刺の1.5倍くらいの大きさ。
重さによってお値段が違いますが、3000円~5000円程度(送料別)
1本から、発送してくださるそうです。送料別となりますが、その旨ご了承ください。
お問合せされる場合は、「ネットで、からすみを購入できるって知った」と電話でお話いただくと、スムースに伝わるかと思います。
自家製からすみ 通販問合せ
0463-88-7721
受付時間 11:30-22:30(水曜定休)
寿司割烹 あきよし 11:30-22:30(水曜定休)
神奈川県秦野市渋沢2-43-20

今回は、ワインに漬けて作ったからすみと、日本酒で作ったものの二種類。
どちらの種類か、3000円~5000円のうち、どれくらいのお値段の物をお求めになるのかをお伝えください。
すごい人気で、当日も続々と売れていってましたので、品切れになってたら、ご容赦くださいね。その際は、是非お店で直接召し上がってくださいね。
話が脱線しましたが、編集者A氏も私も、さすがにギブアップ。おなかいっぱいです。
お土産に自家製からすみを購入し、酔いを醒ましながら駅へ。タクシーで5分ほどある距離をのんびり歩きながら、先ほどまでの時間を反芻しました。最高の時間でしたね。
ちなみに、気になるお代ですが。お土産にからすみを3本ほど購入して、二人でお代が2万円以下でしたから、日記で紹介させていただいた料理をいただいたとしても、大体一人5000円くらいでおさまるんじゃないでしょうか。
ご予算や時間が気になる方は、お出かけ前にお電話して時間と人数と、一人当たりの予算を伝えておくと、いいものを用意してくださるので、ぜひそうしてみてください。
カウンター席が6名ほど。小上がりが二つほどのお店ですので、のんびり寿司や魚を楽しみたい時は、電話を入れて、夕刻から、7時くらいまでにでかけるのが狙い目かもですね。
閑静な住宅街のはずれにある、隠れ家的なお店ですので、駅からはタクシーが無難かもしれません。1メーターで着きます。
小田急の沿線ということもあって、どうやら、新宿とか世田谷からおしのびでやってこられるお客様が多いようですね。
行きがけにタクシーを利用した際は、「あきよしさんっていう寿司割烹に行ってください」で、運転手さんに伝わりました。
僕たちは夕刻に向かう時間にうかがいましたが、お客さんも少なく貸切状態。
暮れていく日を窓越しに眺めながら、粋な時間を過ごしました。


仕事ですか? ええ、このあともちろん打ち合わせしましたよ。
小田急で新宿に戻って、おみやげに購入した自家製からすみを肴に、飲みながらですが。
ぜひ、皆様もお出かけくださいまし。
寿司割烹 あきよし 11:30-22:30(水曜定休)
神奈川県秦野市渋沢2-43-20
0463-88-7721

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September 10, 2008

重陽の節句に、小田急の渋沢で寿司を喰らう

午前中に、お世話になってる出版社の編集者さんと新宿で合流。
小田急に乗り換えて、約一時間半。渋沢の鮨屋「あきよし」へ。
寿司割烹 あきよし 11:30-22:30(水曜定休)
神奈川県秦野市渋沢2-43-20
0463-88-7721
重陽の節句に時間を取り、寿司屋で昼飲みを洒落こもうという寸法。

小田原に近いこともあってか、渋沢駅から一歩外に出ると、凄烈な空気が肺に染み渡るようだ。
丹沢を近くに望む街だから、それは当たり前なのかもしれない。

こんな山沿いの街で、美味い鮓に会えるのかねえ?、、、などと一瞬思ったのが大間違い。

まあ、とにかく驚いた。

ふぐの白子とウニ・イクラの茶碗蒸しを600円で出す寿司屋なぞ、聞いたことがない。
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これを、600円で出してたら、お店大変だと思うんだが……
職人さんなんだなあ 。
「これ、豪快に混ぜて食べていただくと、いくらがいい仕事するんですよ。お試しになってみてください」

こっ、これ 混ぜちゃっていいの? フグの白子だよ。これだけで1万とかの世界だよ……
などと思いつつ、混ぜてみた。

う、うめええええええ
たまらんっす。たまご、フグの白子、いくら、うに、それぞれの「コク」が薄く重なりながら、それぞれ後味を残して喉に落ちていく感覚。

きちんとした昆布と鰹で引いた出汁が絡まる風味が、またすごくいい。
聞けば、卵も卵黄が濃くて、独特の風味が出る卵を使っているのだとか。
殻が薄い青色をしてる青卵なんだとか。

ところで、これを600円で出して、大丈夫なの?
おそるおそる親方に尋ねてみた。

「もちろん、仕入れ値の関係でお値段を上げざるを得ないこともあるんですけどね。お楽しみいただける仕事をしたいと思ってるんですよ。
ご予算とか、お好みをおっしゃっていただければ、色々とご用意させていただきますので、お気軽におっしゃってください」とのこと。

他の方に聞くと、1万を越えるおあいそになる人って、あまりいないんだとか。酒肴と握りと酒を楽しんで、1万を越えるかどうかって感じらしい。もちろん、値の張るネタばかりお願いすれば、それなりになるだろうけど、このお値段でこれだけの寿司がいただける店は見たことがない。

ふつう、寿司屋のカウンターに座って、肴と握りをおまかせで出してもらって飲んだら、1万円じゃすまないと思うんだが。下手したら3,4万円は軽く飛ぶ店もある。

(この日も、二人で飲んで酒肴と握りを頂いて2時間ほど過ごしたけど、一人5000円ほどだったかな)

「値の張る食材を仕入れて、おいしい物を出せるのはある意味当たり前だと思うんですけどね。コストを抑えた食材で、最高の仕事を見せるのが板前の技だと思ってますから」とは、親方の言。

前菜に、松茸とふぐの煮凝ゼリー寄せが出された時点で、こっそり店内を見回して、カードが使える店なのか確認してみたりした次第です。(チキン野郎だねえ)
本日の前菜 まつたけとふぐの煮凝りゼリー寄せ
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いやさ、東京の某所でご相伴にあずかると、福沢諭吉が、今すぐ荷物まとめて財布から家出していきそうな品が、次々と出てくるのである。

その日のお勧めが書いてあったりするんだけど、夏に旬を迎える岩牡蠣や、万願寺とうがらしの天麩羅とか、そこそこの店では食べられないようなネタが、1000円以内の価格設定になってる。

仕事も超一流。カウンターに座ったが(僕の世代だと、寿司屋のカウンター席に座れるのは、妙なステイタスを感じたりするのだけど)、ネタケースにならぶ魚や貝類の仕込みの見事なこと。

「貝類は春先が旬ですけど、赤貝とか今日はいいのが入ってますから、よかったらおっしゃってください。すぐに剥きますから」とは親方の言。

なるほど、腕の立つ方で、実直な仕事をされてきたんだなあ……などと、一人で感心。
心意気に惚れますね。
貝類の中でも、赤貝は仕込みに結構手間がかかる。だから、あらかじめ剥いて、ひもとわたを外して、ネタケースに並べる寿司屋さんが圧倒的に多い。

ところが、赤貝って劣化が早いんで、あらかじめ剥いておくと味が落ちちゃうんだよね。

鯛みたいに、さばいてすぐよりも、一日くらい寝かせた方が旨みが出てくるネタって多いんだけど、赤貝は絶対さばいてすぐの方が圧倒的に味が良い。
そういったネタは、注文を受けてからさばく。

素晴らしい実直な仕事です。赤貝って、貝割りを上手に使って剥かないと、身を傷つけちゃうし、剥いた後に、ひもとわたを上手に外さないと、握りのネタにならなくなる。
ほんと手間がかかるし、最近は品薄で仕入れが高いんで、冷凍物を使うお店も増えた。

シンコ(コノシロの幼魚、コハダより小さいものをシンコと呼ぶ)なんかもそうだよね。
柳の葉くらいの魚をさばくわけだから、すごく手間がかかる。しかも仕入れ値が高いんで、握れば握るほど赤字になる。それでも、気合の入った職人さんは、絶対に置くんだよな。

一度、若いライターと取材で寿司屋に行った際に、親方が出してくださったシンコの四枚付け(シンコの小さな身を少しずつずらして、4枚重ねて1貫に握ったもの)をえらく気に入ったらしく、シンコばかりを握らせようとするんで、「空気を読め」とばかりに肘でつついたことがある。

店からすれば客だし、赤字覚悟で出してるんだから、それはそれでいいんだろうけど、旬の美味いものって他にもあるわけだから、他のものを握ってもらうのがスマートだと思うけどね。

同行したライターは、シンコばかり頼むと、お店が赤字になることをしなかったようで、後日「勉強不足でした」とメールを送ってきたっけか。

仕事の話なんぞ、そっちのけ。これだけすごい仕事が、目の前で見られて、楽しめるってことで、すっかり夢中。編集者さんに、呆れられてしまいました。(あ、もちろん後できっちり仕事の話はしましたので念のため。)

鱧と松茸とくるまえびの土瓶蒸し (1500円だったかな?)
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鰹と昆布の一番出汁と、鱧の骨で引いた出汁を合わせたという代物
底のほうに、鱧の出汁で火を通した鱧の花が咲いてたりします。

ご自分で骨切りして、葛粉を打ち、鱧の出汁で火を一旦通してから、また土瓶で加熱してあるので、風味が全く違う。。。。すごすぎる仕事です。

添えられていた すだちを絞らなくても充分楽しめる。滋味あふれるというのは、こういう味のことを言うんでしょうね。

華やいだ時間の続きは後ほど。
寿司割烹 あきよし 11:30-22:30(水曜定休)
神奈川県秦野市渋沢2-43-20
0463-88-7721

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September 07, 2008

新しい上司が着任

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新しい上司が着任。熊田デスクです。

「日刊すっぽん・ブログ版」の政治・お笑い・料理・日々雑感面の全権デスクです。

彼の許可がないと、署名記事を書くことはおろか、企画も出せなくなったので、ビクビクしてます。

ぬいぐるみみたい?
どんでもない。
顔はやさしいですけど、仕事の鬼です。

彼の元で働いたライターが何人「川を昇ってきた鮭」のように燃え尽きていったことか。
僕のライター人生も、いよいよこれまでかもしれません。

「おい!松沢、ちょっとこい」
「はっ、はひ?」


「昨日の料理記事の企画だが……」
「ど、どうでしょうか? 熊田デスク?
(すりすり)」


「んーとな、ボツ。全面差し替え」

「うわああああ~ん!!」

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September 04, 2008

ソフトドリンク最強伝説

某飲料メーカーのお仕事で、コピー書きやら何やらで四苦八苦してます。
ソフトドリンクの仕事なんですが、まあ大変ですねえ。
発売されて、ヒットする商品はごくひと握り。
あとは数年のうちに、発売されなくなってしまいます。

飲み物ですから、製品の味はもちろんだけど、ネーミングとかパッケージで売れ行きが大きく左右します。てなわけで、責任重大です。

企業秘密なんで、ここでは書けませんが、やはり売れるネーミングというのはあります。ある意味、法則ともいっていい。

缶コーヒーなんかだと、その傾向が顕著で、いくら中身がおいしくても、ネーミングとパッケージデザインで、売り上げが、がた減りしたり伸びたりします。

もちろん、広告を打つ媒体の選定とか、広告費の額とか、そういった条件は大前提ですけどね)

まあとにかく、新しいものを作ってヒットさせるのは、お金もかかるし、色々な人の手が必要になるということです。

面白いのが、販促をあまり行わなくても、売れ続けるソフトドリンクってあるんだよね。
ネーミングも製品自体もすごく奇抜だったりします。見るからに、コアな雰囲気ゆんゆん。
それでも売れてるんだよね。

ふーむ、てことは、ネタ的なネーミングだったり、奇抜な飲み物って意外に売れるのかもね。

各メーカーさん こんなの出してくれないかしら?

スポーツ飲料 Smash! 青春の汗入り

さらにコアな

スポーツ飲料 Smash! 青春の汗入り・柔道部成分配合

和風な飲み物なんていかがでせう?
なぜなかったの? 飲む大福(窒息注意)

お弁当のお供に ふぐのお吸い物「下関の荒波」(当たり付き)



う、うーん さすがに無理だろうな。ネタでも作れないアルよ。

さ、馬鹿やってないで、たったと仕事を片付けましょう。

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September 03, 2008

今日の東証はどう動くかな?

相変わらず徹夜してるわけですが、福田総理の突然の辞任で驚きましたね。

前の安倍総理もそうでしたが、まあ難しい話が続くもので。

どうでもいいけど、首相が辞任を表明したとたん日本市場の株が一斉に上がるってどういうことよ? もっとも市場が終わる15時前には一斉に下落しましたけど、この動きって不可解ですねえ。

株価って、様々な材料が重なって値が上がり下がりするわけですが、要は信頼できるところに投資家がお金を投資するわけですよね。

株価が上がるってことは、日本の企業が信頼できる。
つまり、日本の企業の株を買っておけば安心だと投資家の方たちが思うから株価が上がるわけです。(まあ、例外もあるけど基本的にはそう)

首相が辞任を表明したとたんに株価が上がるってことは、国内外の投資家のみなさんは、総理が辞任すると政治が安定すると思ってるってことなのかしら?

「政治の空白」とか「ねじれ国会」なんて言われて久しいんだけど、それでもちゃんと国が動いているのってすごいことだと思うな。
ネット世代の人たちの言うところの、「なかの人」たちが頑張ってるってこと?

だとしたら、「日本政府のなかの人」ってどんな人たちなんでしょうね。うーん、謎だ。

次の総理大臣って誰になるんでしょうね。衆議院を解散しないみたいだから、自民党の総裁選で次の総理が決まるってことなんでしょうけど、はて……どうなりますやら。

とりあえず、麻生太郎さんが総裁選に出るってことなら、アニメ関係企業とかアミューズメント関連企業の株でも買っておこうかしら? 

まあ、それはさておいて、北京オリンピックが終わったから、ヒートアップしてた鉄鋼・鋼材関連企業株は落ち着いてくるのかな。

ちょっと気になるのは、イリジウムとかタンタルとか金、白金、みたいな、電子部品に欠かせないレアメタルを精錬したり、再回収している会社とかかな。

ライターで食っていけなくなったら、古物商の免許を取って(警察署に申請すれば基本的にもらえる)使い古しの携帯電話とか、使えなくなったパソコンを回収して、レアメタルを回収して販売しようかなとか思ってたりします。

「都市鉱山」って言葉があるくらいで、こういった希少金属って、廃棄される携帯電話端末や家電製品の中に、結構使われてたりします。

金に至っては、鉱石1トンあたりに1~3グラム取れれば採算が取れるらしいんだけど、こういった廃家電や携帯電話端末からは、楽にそれくらいの量が回収できる。ビジネスとしては悪くない話でしょうね。

もっとも、それが現実にならないように、せっせと本業に精を出して、文章書きますけどね。

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想定したくない首都圏の軍事的危機シミュレーション 

ひまな時にメルマガで流してるミステリの長編
(といってもプロットも考えずに、初稿をそのまま投げてるんで、かなりゆるいんだけど)を書いてたら、ラストに近づくにつれて、結構洒落にならん話だなあと思うようになった。

当初は、学生ビザを使って入国した台湾籍の若い女性が実は、テロリストだったという単純な設定だった。

それだと面白味にかけるので、テロリストの彼女が盗み出した在日米軍の軍事機密を盾に、警察庁と防衛省、公安調査庁等の監視をくぐり抜けて、自衛隊と在日米軍からパルチザンを集めるという設定に。

果ては、陸上自衛隊練馬駐屯地から89式自動小銃等の火器、在日米海軍横須賀基地から、生物化学兵器と小型核を持ち出して、営団地下鉄国会議事堂前駅を人質とともに占拠。

生物兵器と小型核を使うことも辞さないとネット上のストリーミング映像で犯行声明を配信し、テロリストグループが首相官邸の明け渡しを要求するという設定にしたんだが……

こういうことは在り得ないとは思うけど、もし万が一起きたら鎮圧が大変だろうなあ。洒落にならん。

日本はスパイ防止法というものが存在しないので、諜報活動や果てはテロ活動を行うスパイを未然に逮捕することが難しい。

首都の中央部や大阪・名古屋・福岡のような大都市の中心部地域で、人質を取られた上に、生物兵器などのテロが発生した場合、鎮圧にあたっては、様々な問題が発生する。

そもそも、どのようなオペレーションで警察と自衛隊が協力して鎮圧を図り、人質を救出するか、作戦行動の立案、指揮が非常に難しくなるんじゃないだろうか。
特に、化学兵器の処理に至っては、首都圏は警視庁の機動隊化学防護隊、陸上自衛隊の大宮化学学校を中心とした中央特殊武器防護隊に頼るしかない。

古くは、麻生幾さんなんかが、対北朝鮮のテロシミュレーションを書いた「宣戦布告」なんて作品があったけど、あれはたしか福井の原発に、北朝鮮の海軍が侵攻するっていう主旨だったよね。

大都市を想定した、外国の軍事的脅威・テロリストの攻撃というのも、対策を練らないといけない時代になったのかも。

一部、メルマガで流している箇所を抜粋。
生物化学兵器と小型核を保有するテロリスト集団が、人質を取って営団地下鉄・国会議事堂前駅を占拠し、首相官邸の明け渡しを要求しはじめたシーンから。

●桜の舞う空の下で(第156話より)
http://archive.mag2.com/0000113314/20080806023024000.html

「具体的には?」
優が、ギルの額に強く拳銃を押し付けた。

「警視庁・神奈川県警・千葉県警のSAT,陸上自衛隊の中央即応集団・特殊作戦群、中央特殊武器防護隊を混成する形で配備させている」

「犬猿の仲も、こういう時は一致協力するってことか。現場の連中も、
まさか自衛隊と、お手手つないでテロ実行犯に対峙するとは思わなかったろうよ」

テレビから目を離した氷室刑事が言った。さも面白くなさそうに、カウンターのサンドイッチを口に運ぶと、ギルに言った。

「どうでもいいが、誰が指揮を取るんだ? 警察と自衛隊の混成部隊なんてのは、オウム事件以来、例がない。あいつらのことだ。作戦実行を指揮するだけでも、誰が指揮棒を振るかすら決まらんだろう。もめてる間に人質が危うくなりかねないぞ」

「CIROだ」
ギルが答えた。

「CIRO? 内閣情報調査室か? まさか? やつらは、大規模災害時に、自衛隊や警察におうかがいを立てるセクションだぞ。今度は、わが身かわいさにヨタ飛ばすか?」
氷室刑事が、馬鹿馬鹿しいといった表情を見せた。

「CIROは、防衛省幕僚本部と警察庁長官官房から常駐者を置いている。こういった大規模なテロに備えて、警察と自衛隊の混成鎮圧部隊を指揮するためだ。ほら、私の言ったとおりだ」

ギルがテレビの方を見ろとあごをしゃくった。テレビは、犯行声明のストリーミング映像から、国会議事堂前駅でマイクを持ってレポートしている映像に変わった。

無理もない。既に数名の機動隊員が突入を試みて、テロリストグループから射殺されているのだ。怒号の飛び交う中、彼女は手にしたニュース原稿を、大声で読み上げはじめた。

「えー現場からです。スタジオ、聞こえますでしょうか? 先ほど、実行犯グループから、再び犯行声明と要求があったようです。 犯行グループは、人質の一部開放を条件に、首相官邸を明け渡すことを要求しているようです。

繰り返します、実行犯グループから新たな要求がありました。実行犯グループは首相官邸を明け渡すことを要求しました。

先ほどと同じく、ネット上に実行犯グループがストリーミング映像を配信しているようです」

テレビの映像が切り替わった。迷彩服に身を包み、マスクをしたテロ実行犯グループが現れた。ギルが言った通りだった。
彼らは、首相官邸を明け渡すよう、日本政府に要求していた。

「繰り返すが、我々は小型核と生物兵器を保有している。日本政府が我々の条件を飲まないようであれば、都内各所に仕掛けた生物兵器を遠隔操作で一斉に使用する。

我々は二種類の生物兵器を都内各所に仕掛けた。一つは、感染後、30分ほどで高熱などの症状を発症するが、大半が72時間に自然治癒するタイプのものだ。

そしてもう一つは、天然痘ウイルスにエボラザイールウイルスの遺伝子を組み込んだ致死に至るウイルス兵器だ。

こちらは感染後、48時間以内に罹患した患者の90パーセント以上が確実に死亡する。

我々の要求を飲めば、人質の一部を解放することを約束しよう。
もちろん、首相官邸を明け渡した後は、残りの全員の人質を解放することを約束する。先ほど提示したウイルス兵器を使用することもない。

私たちの声明が脅しでないことを証明しよう。
インフルエンザ様の症状を発症するウイルス兵器の一つは、JR大崎駅の山手線ホームに仕掛けてある。

ホームの中ほどの自動販売機の脇に、タワーレコードのビニールバッグが置いてあるはずだ。その中に、ステンレス製の水筒が入っている。その中身を調べてみるといい。

警察や自衛隊の諸君に進言しておこう。ウイルスは、気圧をかけた形でステンレス製の水筒に封入してある。落としたり、その場で開けた瞬間に、あっという間にウイルスが1キロ四方に散って被害が拡大するから、くれぐれも注意したまえ。

念のために感染した際の治療法にも触れておこう。このウイルス兵器は、インフルエンザ検査キットで陽性反応を示すが、アマンダジン、リン酸オセルタミビル、ザミナビルなどのインフルエンザ治療薬が全く効かない。

罹患した者は、ウイルスが死滅するまで高熱に耐えるしかない。罹患した患者を診察する医療従事者は、解熱剤を処方し、体力の回復を指針にした治療を考えたまえ。

もっとも我々は、日本政府が犠牲者を出すことなく、首相官邸を
明け渡してくれることを願うが」

「どうやら、こいつの言う通りらしいな」
タカさんが言った。

「さあ、どうだか?」
優は、相変わらずギルに疑いのまなざしを向けたままだった。

「日本政府のアタッシェ(外交官)と接触してたって言ってたけど、
どこまでほんとなんだか」

「俺はアメリカ大使館付けの駐在武官だが、外交官パスを持っている。
日本政府の外交官と連絡する方法なんてらいくらでもある」
ギルが、自慢する表情を見せた。

「なんというか、おめでたいなあ」
優が呆れた声を出した。

「何がだ?」
「あのねえ、日本政府の外交官と連絡を取って、美華ちゃんや、クーデターの実行犯を確保する情報を日本政府に提供したところで、あなたの身の安全が保証されるわけないでしょうが。

事はアメリカ政府と日本政府の裏の駆け引きが絡んでるんだよ。ヤバイ情報を握っていたやつは、用済みになったら殺すに決まってるじゃない。

どのみち、ギルさんは、日本政府に投降したところで、身の安全が保障されるわけじゃないの。大体、アメリカ政府から、つつかれたら困るでしょ。問答無用で、殺されるに決まってるじゃん」

ちょうどその時だった。テレビの画面が切り替わった。
国会議事堂前駅でレポートを続けているさっきの女性アナウンサーが映った。

「現場からお伝えします。えー、ここで情報が入ってきています。犯行声明の映像に出ていたテロリスト実行犯の情報が入ってきました。

映像に映っていたテロ実行犯は、米海軍横須賀基地所属後、アメリカ大使館付けの駐在武官となり、退官したマーカス・ギル元中佐ではないかという情報が入ってきました。

アメリカ大使館勤務時代に撮影された写真を入手しましたが、本人に非常によく似ています」

テレビの画面が切り替わって、ギルの写真が大写しになった。

その後、半透明になったギルの写真が、マスクをかけたテロ実行犯の頭部とぴったり重なることを示す映像が、二度三度角度を変えて映し出された。
この映像を見れば、大半の人はギルがテロ実行犯だと思うだろう。ギルが、日本政府に投降して、身柄の安全を確保する術を失った瞬間だった。

「えー、再び現場からお伝えします。この件について、アメリカ大使館ならびに、アメリカ政府は現在のところ、正式な表明をしていません。繰り返します……」

マスコミ関係者の怒号が飛び交う中、ヒステリックな声で彼女が原稿を読み上げはじめた。ギルはその映像を某然とした様子で見ていた。

「日本政府からも裏切られたのかな? これで、投降しても助かる方法はなくなったってことだ。一緒にいると、僕たちもヤバそうだなあ。さてと、どうしよっかな」
優は、ギルの額に拳銃を強く押し当てた。

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