« せんせい、どうしておねえさんになるとちいさなパンツをはくんですか | Main | 悪魔の新・農薬「ネオニコチノイド」 »

June 17, 2008

幼女殺人 宮崎勤死刑囚の刑が執行される。

以下刑事訴訟法より、死刑執行に関連する法を引用してみる。
当該部分は、刑事訴訟法第475条-第477条

第475条 死刑の執行は、法務大臣の命令による。

2 前項の命令は、判決確定の日から6箇月以内にこれをしなければならない。但し、上訴権回復若しくは再審の請求、非常上告又は恩赦の出願若しくは申出がされその手続が終了するまでの期間及び共同被告人であつた者に対する判決が確定するまでの期間は、これをその期間に算入しない。 

第476条 法務大臣が死刑の執行を命じたときは、5日以内にその執行をしなければならない。

第477条 死刑は、検察官、検察事務官及び刑事施設の長又はその代理者の立会いの上、これを執行しなければならない。

《改正》平17法0502 検察官又は刑事施設の長の許可を受けた者でなければ、刑場に入ることはできない。

《改正》平17法050 第478条 死刑の執行に立ち会つた検察事務官は、執行始末書を作り、検察官及び刑事施設の長又はその代理者とともに、これに署名押印しなければならない。

《改正》平17法050 第479条 死刑の言渡を受けた者が心神喪失の状態に在るときは、法務大臣の命令によつて執行を停止する。

2 死刑の言渡を受けた女子が懐胎しているときは、法務大臣の命令によつて執行を停止する。

3 前2項の規定により死刑の執行を停止した場合には、心神喪失の状態が回復した後又は出産の後に法務大臣の命令がなければ、執行することはできない。

4 第475条第2項の規定は、前項の命令についてこれを準用する。この場合において、判決確定の日とあるのは、心神喪失の状態が回復した日又は出産の日と読み替えるものとする。

刑事訴訟法第475条-477条
死刑執行に関連する規定より抜粋

宮崎勤死刑囚の刑が執行されたらしい。
2年前に最高裁で刑が確定した後、6ヶ月以内に執行されなければならないと法で規定されている死刑執行が、今日まで延びたのはなぜか。

刑事訴訟法の条文に照らし合わせた上では、刑事訴訟法第475条2項の読み替えを根拠とした上での刑執行ということなのだろう。

同法では、心神喪失の状態が回復したとみなされ、なおかつ法務大臣の
命令が降りた場合に、刑を執行できるとある。

公判の際、宮崎元死刑囚の心神喪失状態と刑事責任能力が争点となった。

結果的に、宮崎元死刑囚の心神喪失状態は、拘留後に生じたもので、犯行当時の刑事責任能力が認められ、最高裁で死刑が確定したようだ。

公判の経緯や判決の批評は他に譲るが、この事件に関わった全ての立場の方が、複雑な心境であることは間違いないだろう。

極刑は止むをえないが、果たしてこれで良かったのか、と。

私は、死刑廃止論者ではないが、宮崎元死刑囚の刑の執行を以って、事件が全て解決したとは思えないのである。

刑は執行された。
だが、被害者のご遺族はもちろん、この事件に関わった全ての人に苦しみを残したのではないだろうか。

日本国憲法第76条3項の定めによって、私的な感情を一切排して法令を解釈し、死刑判決を出さなければならない立場にある判事、死刑執行を命令する法務大臣、また同様に、法務大臣の命令を受けて刑の執行を指揮する検察官や刑務官も、苦しいと思う。

特に死刑執行を指揮する検事や刑務官は、「仕事」や「責務」といった言葉で割り切れない苦しさを目の当たりにするだろう。

「複数の人を殺めたものだから極刑は止む無し」と理解していながらも、法という名の元に、自らの手で、人の命を奪わなければならないのだから。

宮崎元死刑囚は、判決確定後、恩赦を求めていたとされる。

それが心神喪失状態の回復とみなされ、刑事訴訟法第477条4項をはじめとした一連の条文に合致し、合法的に死刑の執行が可能と判断されたとしたら、宮崎元死刑囚に、自らが起こした一連の犯行について、真実を語らせてほしかったと思う。

犯行当時、幼児だった複数の被害者は、生きていたら20歳を越えている年齢になっている。

犯行当時幼かった被害者の親御さんにしてみれば、いくら時が痛みを和らげても、自分の子供のことを忘れる日はないだろうし、子供が二度と戻ってこないことに苦悩する日は無くならないだろう。

自分の子供と同い年の他のお子さんが、相応の年に成長し、人生を歩んでいくのを見て、耐えられない痛みを感じ続けるのではないかと思う。

二度と帰ってこない被害者の命を心に深く刻み、生きていかなければいけない被害者の親御さんを救うものはなんだろうか。

宮崎元死刑囚しか知りえない「真実」も、その一つかもしれないと思うのは、私だけだろうか。

刑法における刑の執行は、罰を与えるものではなく、社会の中で適正に生きていくための矯正を目的としたものという大前提がある。

もはや矯正が不可能であるから、被告の命を奪う死刑を執行するという結論に達したのであれば、宮崎元死刑囚に真実を語らせ、奪われた幼い命や、そのご家族、そして社会に懺悔させてほしかったと思う。

釈然としない問題を残したまま、法的にはこの事件は解決した。

だが、被害者のご遺族や、この事件を機に社会に投げかけた波紋は、あまりにも大きい。

|

« せんせい、どうしておねえさんになるとちいさなパンツをはくんですか | Main | 悪魔の新・農薬「ネオニコチノイド」 »

Comments

Post a comment



(Not displayed with comment.)




TrackBack

TrackBack URL for this entry:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/48258/41564562

Listed below are links to weblogs that reference 幼女殺人 宮崎勤死刑囚の刑が執行される。:

« せんせい、どうしておねえさんになるとちいさなパンツをはくんですか | Main | 悪魔の新・農薬「ネオニコチノイド」 »