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October 2005

October 31, 2005

ありふれた一日なんて存在しない

ありふれた一日なんて存在しない。

たとえ同じような一瞬の繰り返しが続いているようでも
昨日と今日は、確実に何かが違っている

平凡に見える一瞬や、
耐え難いほど辛い一瞬の中にある
特別な輝きを見つけられるから、今は毎日が楽しい

死ぬほど辛かったけど、今日はとっても楽しかった

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October 30, 2005

既視感(デ・ジャ・ビュっていうの?)

最近、ハードに仕事しているせいか、移動中などに
ちょこっとうたた寝してしまうことが多い。

たとえば電車の中とかね。それですっかり熟睡してる瞬間があるんだけど、
不思議と乗り過ごさないんだよな。

ただ、どうやら深く眠れるのは一瞬だけで、
あとは浅い眠りを繰り返しているらしい。よく夢を見る。

前の日記でもちらっと書いたけど、僕は映画のフィルムを見ているみたいに、
オールカラーの夢しか見ないので、内容が「?」な夢だと
目が覚めた後も記憶に残ることが多い。

でね、最近よく見るのが、どこかの街の風景なんだよね。

それが異様にリアルで、建物とか家の作りとか、電車の踏切とかまではっきり見えるの。
以前どこかで見た街の風景なのか、はたまた全く違うのかよく分からないんだよね。

夢の中で見た風景を逐一思い出すことができるくらい、はっきりと覚えているんだけどね。

ここ数日、同じ夢を続けて見ていて、その風景が繰り返し出てくる。

一つは、国道みたいな割と大きな通りの両側に
家と三階建てくらいのビルが並んでずっと建っている風景。

一件の家の外壁に薄青色のタイルが張ってあるのをはっきり覚えているんだけど、
そんな風景ってみたことないしなあ……うーむ何なんだろう?

もう一つは鉄道の立体交差。上下二本の線路が交差していて、下の線路の方は踏切がある。

どこなんだろう? 僕が生まれた北九州は、
そんな所ってなかった(あったかもしれないけど、行った覚えはない)から、
多分東京のどこかなんだろうね。

やけにリアルに覚えていているし、同じ夢を何度も見るっていうのが
ちょっと気になるなあ^^; 何なんだろうねえ?

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October 26, 2005

祝 連載100回

自分でもすっかり忘れてましたが
連載しているメルマガ小説「桜の舞う空の下で」が
先日100回を越えました。

よく続いてるなあと思う反面、メルマガというメディアでは
表現が難しいなあと思ったりもして、色々勉強になってますね。

自分での初めて書く長編のミステリーなのですが
バックナンバーを全て公開していますので、購読登録してくださっている方
以外の方からもいろんなご意見をいただいていて、大変ありがたく
思っています

まだ目を通していただいていない方も、無料で読めますので
購読登録していただければ大変うれしいです。

http://homepage2.nifty.com/epsilon-cafe/matsuml2.htm先ほどもお話しましたが、バックナンバーを全て開放していますので
最初から読めます。
途中から購読登録しても、楽しんでいただけると思いますよ。

まだまだラストまでは遠いですが、頑張って書きたいと思いますので
これからもよろしくお願いいたします

松沢直樹 拝

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October 23, 2005

秋らしく

仕事が一段落したので
ブログのデザインを変えてみました。
秋らしくって、なんかいい感じでしょ?

といっても、デザイナーさんが作られたテンプレートを
お借りしただけなんだけど^-^
なんか大正ロマンみたいな感じで気に入ってます。

しばらくデザインはこのままにしようかな

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October 21, 2005

なんかしらんけど

前に出入りしていた編プロの方から連絡があった。
伊藤園新俳句大賞に入選したらしい。

ん? 入選作「花曇り 空を見上げて 坂の上」


ああ、そういえば仕事の合間にネットから応募したっけか。
入選した時の賞品の受け取り先とか、そこにしといたから
何か届いたってわけか。

ここの賞って、入選すると伊藤園の緑茶の裏に、作品が掲載されるらしいけど
佳作だから、掲載はないらしい。うくく
作品集が届いてるから取りにこいって言われたから、来週頭にでも
営業がてら顔をだしてみようかな。
副賞でお茶が一ダース届くらしいけど、それはみなさんで飲んでもらうことにするか。


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October 20, 2005

歓迎光臨 ライブ

昨日は千駄ヶ谷(都内ね)の某所で友人のライブに、ゲスト参加してきました。

コーラスで数曲参加させていただいて、
幕間にポエトリーリーディングをやらせていただきましたが、
意外にも好評でしたね。我ながら驚きました。

それにしてもびっくりしたのが、メルマガ「桜の舞う空の下で」で
都内の「谷」のつくところって告知しただけなのに
10人もおいでいただいたのはびっくりしました。

僕が参加するって、どこにも書いてなかったのに、ちとびっくりです。
11月にはトークライブも予定していますが(多分地方になりますけど)
単独ライブなので、よかったら足を運んでくださいね。

これからはアグレッシブにいろんなことを表現していきたいと思いますので
みなさん、これからもよろしくです。

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October 13, 2005

秋晴れ

蒸し暑い日がいつまで続くのかと思ったら、急に寒くなりました。

物書きという職業に就きながら、日記のこの更新頻度の少なさは
恥じるべきなのかもしれませんが、仕事も忙しく、また心に写ることも多く
書けば必ずとりとめのない文章になることが必至でしたので、
躊躇しておりました。

毎日遊びに来て下さっている方には大変申し訳ない限りですが
ご容赦ください。
今日の関東は、秋晴れという言葉がふさわしいほど、空が高くなりました。
相変わらず某所にこもって執筆の毎日なのですが、こんな日はあてどもなく
どこかへ出かけたくなります。

関東だとまだ紅葉の時期には早いでしょうが、どこか景色のいい所などを
探して一人で景色を眺めながら物思いに耽るのもいいかな……などと考えております。

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October 11, 2005

さびしんぼうのカナリヤ

さびしんぼうのカナリヤ

ある草原の木の上に、一羽のカナリヤが住んでいました。
黄色い羽をしたカナリヤは、とてもきれいで歌が上手でした。

カナリヤが木の枝に止まって歌い始めると、
いつのまにかたくさんの鳥たちが集まってきます。
そして、みんなうっとりとして、カナリヤの声に耳をすませるのでした。

「なんてすてきな声なんだろう。カナリヤさん、ぼくとおともだちになろう」
「わたしもおともだちになってほしいわ」

カナリヤは、たくさんのおともだちにかこまれて、
とても楽しい時間を過ごすことができました。

けれども、カナリヤが歌を歌い終わると、鳥たちはみんなカナリヤをおいて、
草原の奥へ帰っていきました。

草原のむこうに太陽がしずむと、カナリヤはひとりぼっちになってしまいます。

ひとりぼっちになったカナリヤは、夜になるとお月様を見上げて、
いつも一人でないていました。

「いつでも、いっしょにいてくれるおともだちがほしい。さみしいよお」

でも、さびしんぼうのカナリヤを、なぐさめてくれるおともだちはいませんでした。

ある朝のことです。枝にとまったカナリヤは、おひさまのむこうに、
大きな森があるのを見つけました。おひさまの光をあびて金色に光る森は、
とてもきれいでした。

「あんなに、きれいなところがあるなんてしらなかった。あそこに行ってみたい」

カナリヤはそう思うと、おひさまの方向をめざして、空高くはばたきはじめました。
はじめて高く飛んだ空は、とてもきれいでした。あたたかいおひさまの光。青い空。

ひとりぼっちでもぜんぜんさみしくありません。それどころか、心がうきうきしてきます。

「こんなにおひさまの光があたたかいなんてしらなかった。
金色に光るあの森は、どんなところなのかしら」

カナリヤは、わくわくしながら、金色にかがやく森にむかって空をとびました。

「やあ、いらっしゃい。鳥のおきゃくさまとはめずらしい。君はどこからやってきたの?」

 カナリヤが森につくと、あちこちに立っている松の木やくるみの木たちが話しかけてきました。

「草原からです」

「そうなんだ。遠いところからよく来たね。いつまでもすきなだけ、ゆっくりしていらっしゃい」

カナリヤがおそるおそる答えると、一番大きな松の木が、
にっこりわらってそう言ってくれました。森の木たちも、
枝をざわざわ鳴らしてカナリヤをかんげいしてくれました。

「松の木さん、みなさんありがとう」
「どういたしまして。これからよろしくね」

カナリヤの思ったとおり、森はとてもすてきなところでした。

鳥のおともだちはいないけど、あちこちにいる松の木や
くるみの木がお話をしてくれます。きのこの子どもたちが、
かくれんぼやおにごっこをして遊んでくれます。

でも、やっぱり夜になると、ひとりぼっちになってしまいます。
カナリヤはやっぱりさみしくて、夜になるとお月さまを見上げて一人でなきました。

ある日の夕方のことです。きのこの子どもたちからわけてもらったくるみを
運ぼうとしていた時でした。とつぜん木の上から声が聞こえてきました。

「君はどこから来たの?」

カナリヤが木の上を見上げると、一羽のかっこうが枝にとまっていました。

「草原からよ。高い木の枝から見たら、とてもここがきれいで楽しそうだから遊びにきたの」
「ここは楽しい?」
「うん、でもね」

カナリヤは、かっこうに話しました。草原にいたときは鳥のおともだちがたくさんいたけど、
夜になると一人になってしまうので、すごくさみしかったこと。

それがいやでここに来たのに、やっぱり夜はひとりぼっちになってしまうこと。

 そんなことを話しているうちに、カナリヤは、
さみしくてたまらなくなって泣き出してしまいました。
かっこうはカナリヤを、とてもかわいそうだと思いました。

「そうかあ。この森の中に、鳥はぼくしかいないからなあ。

ぼくでよければ、おともだちになるよ。ぼくの住んでる木の枝にひっこししてくればいい。
となりに巣を作ってあげるよ。そしたらいつでもいっしょにいられるから、さみしくなくなるでしょ?」

カナリヤは、はじめてずっといっしょにいてくれるおともだちができて、とてもうれしくなりました。

「すぐりの実を取っててきたよ。あげる」
「ありがとう」
「暑くない? やつでのはっぱであおいであげる」
「ありがとう」
「さむくない? こっちにおいでよ。羽の下であたためてあげる」
「ありがとう」
「ねむれないの? こっちにおいで。お話してあげる」
「ありがとう」

かっこうは、カナリヤのために、昼も夜もいっしょうけんめいにいろんな事をしました。
かっこうは、いつもよろこんでくれるカナリヤがとてもすきになりました。

カナリヤも、いつもいっしょにいてくれて、
自分にいろいろなことをしてくれるかっこうがだいすきになりました。

ある夜のことです。
いつものように、羽の下であたためてもらいながら、
かっこうにお話をしてもらっていると、カナリヤはあることを思いつきました。

「ねえ、かっこうさん。ずっと前に、この森にはかっこうさんしか
鳥が住んでいないって言ってたでしょ?」
「そうだよ」
「鳥のおともだちは、ほかにいないの?」
「いないよ。君がはじめてのおともだちだよ」

「さみしくないの?」
「よくわからないよ。だってぼくは、ずっと一人でここに住んでいるからね」

「おとうさんやおかあさんは?」
「しらない。気がついたらここにいたんだ」
「ずっと一人ぼっちだったのね。かわいそう」

「そうなの? でも松の木さんやくるみの木さんや、
きのこの子どもたちとか、むささびさんとか、りすさんとか、たくさんおともだちがいるよ」

「でも、鳥のおともだちはいないじゃない」
「君がいるよ」
「そうだけど、もっとたくさんおともだちがほしいでしょ?」
「おともだちって、たくさんいないといけないの?」

「そうよ。その方が楽しいにきまってるじゃない。いちど草原に行ってみない?

 いつもそこでわたしが木のえだにとまって歌うの。
そしたらね、たくさんの鳥のおともだちがやってくるの。
みんなでいっしょに歌ってあそびましょ。きっと楽しいわよ」

「うーん、でもなあ。ぼくは歌ったことなんてないし。それにきっと君みたいにうまく歌えないよ」

「だいじょうぶよ。いつもそんなにすてきな声でお話してくれるじゃない。きっとうまく歌えるわよ」
「うーん、そうかなあ」

次の日、カナリヤは、かっこうをつれて森から草原へやってきました。
ひさしぶりにカナリヤのすがたを見た鳥たちは、おおよろこびでした。

まだ歌いはじめてもいないのに、カナリヤの止まった枝のまわりに集まってきました。

「カナリヤさん、はやく歌を聞かせてよ」
 集まってきた鳥たちは、カナリヤが歌い出すのをわくわくしながら待っていました。
 カナリヤが歌い始めると、もっとたくさんの鳥たちがやってきて、
いっせいに拍手が起きました。

 カナリヤは、とても楽しそうに歌を歌っていましたが、
かっこうはとてもきゅうくつそうな顔をして下を向いていました。カナリヤの歌はとても好きだったけど、
こんなにたくさんの鳥を見たのは、はじめてだったからです。

「カナリヤさん。となりにいるおともだちはだれなの?」
 カナリヤが歌い終わると、だれかがたずねました。
「かっこうさんよ。森の中でおともだちになったの。とってもやさしいおともだちなのよ」

「へえ、じゃあ、カナリヤさんと同じで歌がじょうずなんだろうな。ねえかっこうさん。何か歌ってよ」
「うんうん、何か歌って」

 集まってきた鳥たちは、かっこうを見つめると、
いっせいに歌ってほしいと話しかけました。

はじめて、たくさんの鳥のおともだちができたばかりなのです。
かっこうは、はずかしくなってしまって、何も言えずに、
また下をむいたままになってしまいました。

「なあんだ。カナリヤさんのおともだちって言うから、
どんな歌を聞かせてもらえるかと思ったら、何も歌えないんじゃないか。
つまんない。みんな帰ろうぜ」

 集まっていた鳥たちは、下をむいてしまったままのかっこうとカナリヤをおいて、
みんな帰ってしまいました。

「カナリヤさん、ごめんね。ぼくのせいで、おともだちがみんないなくなっちゃったね。
君は、たくさんのおともだちがいないとさみしいんでしょ? 

とっても悪いことをしちゃったから、ぼくはもう君のおともだちじゃいられないよね。
さみしいけど、ぼくは森に帰るよ。さようなら。元気でね」

 かっこうはそう言うと、一人で森へ帰ってしまいました。

 かっこうがいなくなってしまった後、カナリヤはとっても大事なおともだちが
いなくなってしまったことに気付きました。

「草原の鳥のおともだちは、わたしが歌を歌っている時だけそばにいてくれた。
でも、かっこうさんは、わたしが歌を歌っていない時も、ずっとそばにいてくれた。

さみしくてたまらない時だって羽の下であたためてくれたし、お話もしてくれた。
かっこうさんがいつでもいっしょにいてくれる大事なおともだちだってわかっていたのに。
ああ、それなのに、なんてばかなことをしてしまったんだろう」

カナリヤは、とっても大事なともだちがいなくなってしまったことがわかって、
ずっとずっと泣き続けました。

やがて夜になって、お月様が空にのぼると、カナリヤはもっと悲しくなってしまって、
涙を流して大きな声で泣き続けました。

「おじょうさん、どうかしたのかな?」

 カナリヤが顔を上げると、ふくろうのおじいさんが枝に止まっていました。

「ほっほっほっ。久しぶりに月夜のさんぽを楽しんでいたら、悲しそうな泣き声が聞こえてきたからね。
だれかと思ったらカナリヤさんだったのか。いったいどうしたのかね」

カナリヤは、ふくろうのおじいさんに全てを話しました。

夜になるとひとりぼっちになるのがさみしくて、森へでかけたこと。
そして森の中でかっこうに出会ったこと。いつでもいっしょにいてくれるかっこうに出会えて
とても幸せになったこと。

でも、もっとたくさんのともだちにかこまれていたくなって、
かっこうの心を傷つけてしまったこと。カナリヤは、すなおな気持ちになって、
正直にふくろうのおじいさんに話しました。

「そうかねそうかね。友だちがたくさんほしいと思うことは全然悪いことじゃない。
でもね、いつでもそばにいてくれて、自分を心から大事にしてくれるともだちは、
どこにでもいるものじゃない。そのことはわかるね」

「はい。わたしを一番大事にしてくれるおともだちは、かっこうさんだけでした。
でももう、かっこうさんには会えません。かっこうさんは、森に帰ってしまったから」

「そんなことはないよ」
ふくろうのおじいさんは、大きなせきを一つすると話を続けました。

「ほんとうに大事なともだちは、そんなに簡単にいなくなったりはしないよ」
「でも、かっこうさんは森に帰ってしまったもん」

「君の目の前にいなくても、心は深くつながってるはずだよ。
本当に大事なともだちは、お互いの心の奥深くで強く強く結びついているからね。
君が失敗しても、まちがったことをしても、すなおな気持ちになってあやまれば
絶対に赦してくれる。だから、絶対に会えるさ」

「無理です。だってかっこうさんは、深い森の奥へ行ったんだもの。
森の中のどこにいるのかもわからないんだもの。もう二度と会えないよ」

 カナリヤは、下をむいてまた泣きだしてしまいました。

「カナリヤのおじょうさん。いいかい? よくお聞き。
すなおな気持ちになるだけじゃだめなんだ。かっこうさんの心の扉にかかった鍵を開けるには、
勇気を出して言葉で伝えないとだめなんだよ。

だまっていたら何も伝わらないんだ。いっしょにいられなくなって、
一番悲しいのは君じゃなくて、かっこうさんなんだよ。勇気を出すことだ。
このままずっとかっこうさんに会えなくなってしまってもいいのかい?」

「いや、それはいや。絶対にいや」

「だろう? だったらすなおになることだ。すなおになって
自分の気持ちをかっこうさんに伝えることだ」
「でも、どうやって伝えるの?」

「君には歌があるじゃないか。歌でかっこうさんに、自分の気持ちをすなおに伝えるんだ」

「だって、かっこうさんは、森のどこにいるのかもわからないのよ」
「いい知恵がある。私の背中に乗りなさい。森まで連れていってあげよう。さあ、はやく」

 カナリヤがおそるおそる、ふくろうの背中に乗ると、
ふくろうは空高く舞い上がりました。ふくろうが大きな羽ではばたくと、
あっと言う間に森が近づいてきます。

月の明かりに照らされた森は、深く青い色をしていました。
松の木もくるみの木も眠っているのか、だれも話す声は聞こえてきません。
もちろんかっこうの声も聞こえてはきませんでした。

「ふくろうのおじいさん。どうやってかっこうさんとお話するの?
 かっこうさんは、どこにいるのかもわからないのに」
「まあ、私にまかせなさい」

 ふくろうのおじいさんは、そう言うと、森のまんなかにある湖のほとりに降りました。

「ここがいいだろう。さあ、カナリヤのおじょうさん。歌いなさい。
かっこうさんのためだけに心をこめて歌いなさい。そうしたら必ずかっこうさんは、やってきてくれるよ」
「本当に?」

「ああ、間違いない。かっこうさんと心が深くつながっていることを信じることだ。
必ずかっこうさんは君を赦してくれる。そしてここにやってきてくれる」

 カナリヤは、いっしょうけんめい歌いました。
カナリヤがせいいっぱい心をこめて歌う声は、湖の水面をこえて、森へすいこまれていきました。
 どれくらい時間がたったころでしょう。

 カナリヤがせいいっぱい歌う声を聞いて、眠っていた森の木たちが目を覚ましはじめました。

「なんだろう? あれはカナリヤさんが歌ってるんじゃないか?」

「どうやら、かっこうさんをさがしているらしいぞ」
「大変だ。大変だ。かっこうさんに知らせないと」

 森の木たちは、となりの木に話しかけて、かっこうさんを探しました。
そして、森の奥深くにいたかっこうさんを探し出しました。

「かっこうさん。カナリヤさんが帰ってきたよ」

「うそだよ。カナリヤさんは、ぼくがきらいになったんだ。ここにはもうやってこないよ」

「本当だよ。かっこうさんにあやまりたいって歌ってるよ。
また会いたいからやってきたって湖のほとりで歌ってるよ。
すごくきれいな歌声だよ。自分が間違ってたからゆるしてほしいって泣いてるよ。

かっこうさん、はやく行ってあげなよ。今日なら月の明かりが
まぶしいくらいだから、今すぐ飛んでいけるでしょ」

 かっこうは、すぐに木の枝から湖のほとりに向けて飛び立ちました。
高く舞い上がると、カナリヤのきれいな歌声が聞こえてきました。
かっこうさんに会いたい。ゆるしてほしい。カナリヤの声を聞くと、かっこうは胸が苦しくなりました。

せいいっぱいはばたいて、湖のほとりをめざしました。

「カナリヤさん」
 なつかしい声が聞こえたので、カナリヤはつい歌うのをやめてしまいました。

 声のする方を見ると、そこには、かっこうさんがいました。
「かっこうさん。来てくれたのね。ありがとう」

「ううん、ぼくの方こそありがとう。君の大事なおともだちをなくしてしまったのに」

「いいの、もういいの。わたしはかっこうさんだけがいればいいの。
わたしは歌を歌っていない時は、ひとりぼっちになってとってもさみしかった。
わたしが歌を歌っていない時にずっとそばにいてくれたのは、かっこうさんだけだったもの。
だから、かっこうさんだけがいてくれればいいの」

「ありがとう。カナリヤさん。ぼくもそうしたい」

「また、お話ししてくれたり、やつでのうちわであおいだり、
すぐりの実をとってきてくれたりしてくれる? そして大きな羽の下であたためたりしてくれる?」
「もちろん。君がよろこんでくれるならそうするよ」

それから、かっこうとカナリヤは、ずっと森の奥深くで二人だけで暮らしました。

カナリヤは二度と大勢のともだちの前で歌うことはありませんでしたが、
さみしくなることはありませんでした。

自分が歌う歌を、かっこうさんが一番よろこんでくれることがわかったからです。

カナリヤはずっとずっと、深い森の奥で、
かっこうさんのためだけに歌い続けて幸せに暮らしました。

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October 09, 2005

風さわぐ

風さわぐ

心さわぐ


風ゆれる

心ゆれる

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October 02, 2005

この時期に日焼け

相変わらず日曜だろうが何だろうが仕事してるのですが
秋になったはずなのに暑いですね。

あちこち出かけては仕事をもらい、場合によってはその場で原稿を
書いたりしているのですが
日射しのせいか、この時期なのに日焼けしました。

地球が温暖化しているっていうのを、肌で感じています。

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