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March 15, 2005

カレー焼きを追って福岡へ

昨日から私用と仕事を兼ねて、福岡に来ております。
仕事というのは、今月末に校了しなければいけない小説
「埋もれ行く恋」の舞台となる街を再取材するため。

福岡の「唐人町」「天神」「中州川端」っていうところを取材したんだけど
自分が青春時代をすごしたころとはさすがに変わってましたね。
時間の流れを感じますです。

で、もう一つの目的が、ミクシィでも書かせていただいた
「カレー焼き」というお菓子の取材でござります。

当然、話が見えない方が大多数だと思いますので、ご説明。

僕が小さい頃過ごした街で、「カレー焼き」なる御菓子があったんですんわ。
カレー焼きっていうのは、今川焼きを細長くしたような独特の形の皮の中に、
カレー味のキャベツなどの餡が入った独特の食感を持つお菓子。

僕にとってはすごく懐かしい思い出のある御菓子なんだけど
たまたまネットで調べてみたら、このカレー焼き、
なんと、全国各地で販売されていることんですわ。


ざっと調べただけでも、福井、滋賀、広島、徳島、福岡、三重で販売されており、
しかも各地で根強い人気を誇っていて、
「消えた」などと言うには、ほど遠いことも分かった。

ところが、ここで一点の謎が新たに浮上。
福井、徳島、広島、福岡、三重、というように、
かなりの広範囲で販売されているものの、
いったいいつごろどこで生まれたお菓子なのかが分からないのだ。

読み物ウェブサイト「日刊耳カキ」を運営しておられる
大先輩のライターさん 吉村智樹さんからいただいた
コメントによると、大阪(氏は大阪府寝屋川市のご出身)でも昔は売って
いたが、いつの間にか、販売されなくなってしまったらしい。

こういう地域もあることを考えると、かなりの地域で販売されていたんじゃないだろうか。

少なくとも30年ほど前には、各地で発売されていることは分かっているんだけど、
そのせいもあってか、発売当時のころを正確に記憶する人が見つからず、
このお菓子の誕生・発祥地についてネット上で
激論が交わされているらしいことも分かりました。

正直、僕も、自分が小さい頃住んでた場所が発祥の地だとばかり思っていたので、
日本各地で売られていることに、びっくりしたとです。

そんなわけで、全国各地の販売店の情報を集めて、
発祥の地のルートをたどったんだけど、最終的に、ある食品メーカーさんにたどり着いた。

その食品メーカーとは、広島県福山市に本社を構える ヤマト食品株式会社さん。

ヤマト食品株式会社さんは、今川焼きやお好み焼きなどといった
お菓子の材料を製造販売している会社さんである。

なぜ、この会社さんに行きついたかというと、僕が昔、カレー焼きを買っていたお店に、
「マンソートのカレー焼き」という看板がかかっていたことを記憶していたからだ。

なにぶん古い記憶なので「マンソート」ってお店の名前かと思っていたんだけど、
取材の過程で、他のお店にもこの「マンソート」という名前のついた看板があるのを発見。
そこで新たな疑問が浮上
ひょっとして、この「マンソート」って言葉、お店の名前じゃなくて、登録商標じゃないのか?

登録商標というのは、会社名や会社の発明した商品の名前を
法律で保護してもらう制度のことだ。
あくまで推測だが、昔は、特許法の関係で食品の特許が取れなかったので、
(博多名物 辛子明太子が特許を取れなかったのはあまりにも有名)
全国展開を考えた発明者の方が
登録商標を取ることで、他の業者の模倣を防ぎ、
全国販売のフランチャイズかなにかを、なさろうとしておられたのではないだろうか。

早速、ネットで特許庁の商標登録データベースを検索してみる。
もし、この商標がまだ使われているとしたら、簡単に権利者の方が
分かるはずだ。

該当1件

ヤマト食品株式会社
広島県福山市

ええええええ! カレー焼きって広島生まれだったの?
早速ヤフーでヤマト食品株式会社のHPを探してアクセス

ヤマト食品株式会社
http://www.yamato-foods.co.jp/

あん粉館“8010”
http://www.rakuten.co.jp/yamato-foods/

あれれれ、でもカレー焼きなんて出てこないぞ。
ほんとにこの会社と関係あるのかな。

お忙しい中、ご迷惑とは思いながら、おそるおそる情報提供のお願いのメールを出してみたら、
快く回答をいただいた。

「カレー焼きは、弊社で数十年前に開発したものです。
 数年前も福岡県のたこ焼き店の方が研修にこられ、それから
 良く売れるようになりました」


ビンゴ! やっぱりそうだった。しかし、自然発生したお菓子ではなくて、
一つの会社さんが発明した商品だとは知らなかった。

掲載許可をいただくお願いを再度出したら、社長さんから、こんなすごいお話が……


数年前にも大阪の堺市に住むおばあちゃんに出会ったのですが、
なんと40年前に大分で当時一日に10万円販売したそうなんです。
しかも、カレー焼き虎の巻という冊子を作っておられて、
今でも大切に保存していらっしゃったんですね。

私は後にも先にも、そんな冊子を見せてもらったのは初めてでしたので、
冊子を見せてくれながら、昔を懐かしむ
おばあちゃんの姿に感動したことがあります。

ひょえええええ! 一日に10万円!
1個100円で売っても、1000個売上ないといけないでしょう?
それって個人商店というより工場みたいな生産体制だよ

ましてや、40年前の大分くんだりなら、物価を考えると
10円とか20円くらいの単価だろう。
そうすると、10万円売り上げるとなると、一日に5000個は売り上げないと
いけない計算になる。

きちんとした資料がないけど、その当時の九州地方は、
大卒の初任給が5000円~1万円程度くらいのはずだから、
現在の価値で言えば、一日200万円の売上があったってこと? 
文字通り爆発的な人気だったんですな。

それだけ親しまれた味だから、そう簡単に廃れるわけもないみたいで、
最近は、新規に販売をはじめるお店が出てきているらしい。

と、いうことは今回調査した地域以外でも販売されている可能性があるのかもね。
カレー焼きは、もはや「懐かしの味」ではなく、伝統の味に代わりつつあるというわけだ。

それにしても数十年もみんなに親しまれるお菓子を発明するってすごい。
単なる消費者のワガママかもしれないけど、
みんながこれだけ愛しているカレー焼き、いつまでもみんなのおやつでいてほしいよね。

それにしても、関東で売ってるお店を見ないんだけど、どこか売ってないかなあ。

このシリーズ、ミクシィでも評判だったので、調子に乗って、もう少し調べたいと思います。
だって、近くで売ってるところを知りたいし……


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